弟と空却さん24 ページ26
ひとまず私たちは天国先生の事務所に通された。
「今コーヒーを入れるので」
彼はそう告げると、簡易的なキッチンのようなスペースへ行ってしまった。
たばこの匂いがする……。
やはり、弁護士ともなればたばこを吸わないとやっていけないのだろうか。
どんな理由にしろ、未熟な子どもの私には、早すぎる匂いだ。
*
「コーヒー、飲めますか?」
『はい、ありがとうございます』
本音を言えばちょっぴり苦手だけど、出してもらったものを残すなんて失礼だよね。
……十四はオレンジジュースか。羨ましい。
『いただきますね』
そっと一口だけ飲んでみれば、苦すぎない爽やかな味わいが口中に広がる。
『苦くない……!』
「嬢ちゃんにはあんまり苦いのはどうかと思ってね」
こんな私一人のために、ここまで細かい気遣いが出来るなんて、流石天国先生だ。
私もいつか、こういう細やかな気遣いのできるカッコいい大人になりたいなぁ。
『えっと、いつも弟がお世話になっております』
目上の人にこんなふうに挨拶するの、慣れないなぁ。
やけに緊張しちゃう。
「お、お姉ちゃん!僕そんなに迷惑かけてないよ!」
『迷惑とかそういう話じゃないの、十四』
あたふたする十四を制すると、天国先生は笑い出した。
あー、こんな子どもみたいなやりとり見せて、笑われちゃったよ。
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いつまいよ(プロフ) - みんさん» 自分自身何も知らずに空却くんに会ったらビビるだろうなーと思って書きました(*^^*)共感してくださり嬉しいです。初コメありがとう&これからもよろしくお願いします! (2020年4月12日 8時) (レス) id: 4f1872a950 (このIDを非表示/違反報告)
みん - 見た目ヤンキーが急に来たら怖いですよね(笑)夢主さんの気持ちめっちゃ分かります。応援してますので、これからも更新(無理しない程度に)頑張ってください!! (2020年4月12日 8時) (レス) id: d0213f078c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いつまいよ | 作成日時:2020年4月10日 1時