検索窓
今日:1 hit、昨日:20 hit、合計:278,260 hit

弟と空却さん24 ページ26

ひとまず私たちは天国先生の事務所に通された。




「今コーヒーを入れるので」




彼はそう告げると、簡易的なキッチンのようなスペースへ行ってしまった。

たばこの匂いがする……。

やはり、弁護士ともなればたばこを吸わないとやっていけないのだろうか。

どんな理由にしろ、未熟な子どもの私には、早すぎる匂いだ。





「コーヒー、飲めますか?」

『はい、ありがとうございます』




本音を言えばちょっぴり苦手だけど、出してもらったものを残すなんて失礼だよね。

……十四はオレンジジュースか。羨ましい。




『いただきますね』




そっと一口だけ飲んでみれば、苦すぎない爽やかな味わいが口中に広がる。




『苦くない……!』

「嬢ちゃんにはあんまり苦いのはどうかと思ってね」




こんな私一人のために、ここまで細かい気遣いが出来るなんて、流石天国先生だ。

私もいつか、こういう細やかな気遣いのできるカッコいい大人になりたいなぁ。




『えっと、いつも弟がお世話になっております』




目上の人にこんなふうに挨拶するの、慣れないなぁ。

やけに緊張しちゃう。




「お、お姉ちゃん!僕そんなに迷惑かけてないよ!」

『迷惑とかそういう話じゃないの、十四』




あたふたする十四を制すると、天国先生は笑い出した。

あー、こんな子どもみたいなやりとり見せて、笑われちゃったよ。

弟と空却さん25→←弟と空却さん23



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (296 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
522人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いつまいよ(プロフ) - みんさん» 自分自身何も知らずに空却くんに会ったらビビるだろうなーと思って書きました(*^^*)共感してくださり嬉しいです。初コメありがとう&これからもよろしくお願いします! (2020年4月12日 8時) (レス) id: 4f1872a950 (このIDを非表示/違反報告)
みん - 見た目ヤンキーが急に来たら怖いですよね(笑)夢主さんの気持ちめっちゃ分かります。応援してますので、これからも更新(無理しない程度に)頑張ってください!! (2020年4月12日 8時) (レス) id: d0213f078c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いつまいよ | 作成日時:2020年4月10日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。