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冒険の書10冊目 ページ13

パンッ パーンッ

現在私は4人の船の中にいる。

甲板には、[ようこそ 歌子 ] と書かれた幕と

クラッカーを鳴らす4人。

お酒を開けながら、坂田が話を切り出した。


坂「歌子も来たところだからさ、そろそろ色々決めてかない? うらさん。」


浦「あー、そうだなあ。」


貴「何を決めるの?」


島「俺達、最近海に出たばっかで、海賊団名とか、帆のマークとか

全然決めてないんよ。」


貴「海賊・・・・。」


坂「あっ、あっ、違うよ。 俺達、そんな悪い海賊はめざしてないよ。

えーと・・・なんか、悪い奴らは倒すけど、村とか町は絶対に襲わないやつ!!」


私が明らかに不審な顔をすると、坂田は慌てて弁解するように言った。


貴「分かってるよ。 義賊ってやつでしょ。」


坂「そう! それっ!!」


坂田の顔が明るくなったのを見て、思わず笑ってしまった。


貴「ねえ、ところでお前らは歌い手ってやつをやっててんだろ。

聞いてて歌もめちゃくちゃうまかった。

正直、海に出なくてもそこそこやっていけたはずだ。

どうして海に出ようなんて思ったんだ。」


私が聞くと、4人は顔を見合わせて笑った。


島「なつかしいなあ。 何年くらい前のことだったけ。」


船「言いだしっぺは、うらたんだったよなあ。」


浦「うっせ。 それに乗ったのも、お前らだろ。」


坂「4人、離れることなんて考えらんないもんな。」


浦島坂田船「俺達は一繋ぎの運命共同体。」


私は少しだけ、この強く硬い絆で結ばれた4人の昔話を聞くことにした。

これが終わったら、私も少しだけ昔話を話そうか。

私も、お前らのような義賊に夢見ていたことを。

私も、本当はお前らの仲間になれたことが嬉しくて、たまらないことを。

なに、酔ったことを理由に話せばいいのさ。

夜は長くなりそうだ。

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Ruina - 過去編すごく意味深い!これからも更新頑張ってください! (2018年9月5日 17時) (レス) id: 4f718e1884 (このIDを非表示/違反報告)
ありす - うわー!めっちゃ続き気になるー!面白いです!! (2018年2月23日 17時) (レス) id: 80a388aab0 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - おもしろいーー!! (2017年8月24日 17時) (レス) id: 0f5fa8bb5a (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - (;_;)あ、あれ?め、目から塩水が、、、過去編ヤバかったです。(語彙力これからも応援しています。 (2017年8月17日 1時) (レス) id: 2a7062127e (このIDを非表示/違反報告)
manari(プロフ) - コメント失礼します!!めっちゃ感動しました…(泣)世界観も好きです!これからも頑張って下さい!! (2017年8月15日 16時) (レス) id: b97d9f2d41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百合花日和 | 作成日時:2017年7月28日 20時

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