浦島坂田船と海賊娘

冒険の書14冊目 ページ27

貴「うらたさんっ!」


私はうらたさんの部屋に飛び込んだ。

うらたさんはめちゃくちゃ驚いたような顔をしていたが、

無視して他の3人を呼ぶように頼んだ。


貴「いい海賊団名思いついたんだっ!!」


3人が来たところで私は机に楽譜を出した。

4人ははっとしたような顔をした。


浦「これ、どこで・・・・」


貴「私の部屋の机の引き出しに入ってた。」


4人はそれをどこか懐かしそうな目で見ていた。

その楽譜は、五線譜には音符が1つも書いていなくて

楽譜と呼ぶにはあまりにも乱暴なものだったけど、歌詞だけは完成されていた。


浦「これ、俺達が海に出たばかりのときに作った曲だ。」


船「楽譜も読めんし、音符も書けえへんのにな。」


島「懐かしいなあ、歌詞だけで五線譜の意味ないやん。」


坂「今の今までこれの存在、忘れてたなあ。」


4人がこの楽譜のことを思い出したところで、本題に移った。


貴「単刀直入に言う、私が考えた海賊団名は『For the C』だ。」


浦島坂田船「「「「For the C ?」」」」


貴「単純だよ。 歌詞に結構出てくる、Carryの頭文字をとっただけ。」


4人はしばらく考えていたが、すぐに私の方に顔を向けて


浦「すごくいいよ、歌子!」


島「俺達の歌使ってくれたのも嬉しいし、」


坂「英語使ってんのもかっこいいし、」


船「もうこれで決定でええやんなあ!」


こんな好評とは思わなくて、私は思わず笑った。

特別の書2018→←冒険の書13冊目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す