12話 ページ13
『あー、聞こえてるかい?中也。』
夜。
マフィアが支配するこの時間に、私は森さんから貰った外套をはためかせながら、無線機に語りかける。
《聞こえてる。どうすんだ、これ。》
耳の鼓膜を震わせる中也の声。私は小さく下の階を見る。
其処には雇われの傭兵達が群がっており、中也は不適な笑みを浮かべていた。
私のいる通信室にも、片手で凌げる奴等の死骸が積み上がっていた。
『全員殺して構わないよ、中也。相手の頭領の異能力が分かってないから無理はするな、出てきたら私の異能力無効化で横槍をたたく。ちなみに、戦況は?』
《散弾形機関銃とナイフが半々ッてとこか、ダガー持ってやがるヤツもいる。》
『分かった、それなら殺れるね。』
クスクスと笑いながら云えば、云ってろ青鯖と反ってきて通信は切れる。
瞬間、大量の銃声が響き始めた。
見下ろせば、小柄な夕焼け色の少年は舞うように敵を薙ぎ倒している。
これなら時間はかからないだろう。
ふう、と息をついて油断した瞬間。
『…………カハッ…………!?』
私の胸を、一発の銃弾が撃ち抜いた。
最早慣れた痛みに倒れることは無く、素早く身を翻して後ずさる。
其処には、ボロボロの身体を引き摺りながら憎悪の目線を向ける男が。
「ふ、はは……………!流石ポートマフィア………どいつもこいつも凄ェ異能力ダ…………思わず死ぬかと思ったぜ…………」
『!?中也に何をした!!』
「俺は何もしてねえさ………だが、見たいなら行った方がいいぜ?……………」
私は男の胸を素早く撃ち抜いてから、階段を駆け降りた。
其処には。
『………中………也……?』
暴れまわる、中也がいた。
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麗亜@眠い。(プロフ) - 失礼します。只今中原中也誕生祭実施中です。よかったらご参加お願いします! (2017年4月29日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
コウ(プロフ) - オチは中也さんオチだといいな〜です! (2017年4月29日 14時) (レス) id: 3439354143 (このIDを非表示/違反報告)
お芋 - 中也さんオチがいいです…!! (2017年4月27日 20時) (レス) id: 425d94421e (このIDを非表示/違反報告)
麗亜@眠い。(プロフ) - オチ中也さんがいいな。。。 (2017年4月27日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
アオアオ - 初めまして!この作品とても面白いです!オチは中也さんがいいです!!この流れは絶対中也さんだと思います!!これからも頑張ってください! (2017年4月27日 14時) (レス) id: 20e1587176 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作者ホームページ:https://jp.pinterest.com/meru0626/
作成日時:2017年4月11日 19時