【リボーン】異世界の傍観者来る！ [書き直し] (ページ13)

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十一話　あだ名ページ13

体育館を施錠し、更衣室へ急ぐ。

その途中グラウンドで山本とツナがトンボをかけているのが見えた。

もうすぐ山本が仲間に加わるのだと察する。

職員室から応接室への移動中。

「なにやってるの」

聞きなれた声。振り向くと予想道理に雲雀さん。

お疲れ様ですと声を掛ける。

この人の隣を歩くのはまだ慣れないが、多少の安心感。

応接室の扉を開ける。

いつも道理に積み上げられた紙の山。ああ、めまいが・・・。

最近になっては午後の授業をさぼることに何の抵抗もなくなってしまった。

悪いことなのはわかっているが、少しでもこの山を崩していきたい。

放課後になっても終わらない。

冷めたコーヒーに攣りそうな右手。

肩は動かせばバキバキと音を鳴らす。

今日も終わりそうにないな・・・。そんな言葉がのど元まで出かかったが何とか止める。

夕方になっても終わらず。

暗くなり始めても終わらなかった。

「もう無理だ・・・」

「そう」

なんという辛辣な。

「・・・明日やります」

「・・・・・・・・・昇降口でまってて」

声を出す暇も与えず雲雀さんは応接室を出て行った。

いつまでもここにいるわけにもいかないし、彼に逆らうと後で痛い目を見ることを

分かっているから、何も言わずに彼の後を追う。

　

　

「遅い」

「え・・・あ、はい。すみません」

真っ黒なバイク

微かに見覚えがある。

漫画にも少しだけ映っていた。彼が乗っていたバイク。

「早くの乗りなよ」

「えっと・・・・え？」

不満げに顔をしかめる。

「送ってあげるから早く乗って」

驚いた。彼がそんなこと言うなんて思ってなかった。

私が知っている彼は仲間をつくらず、一人で行動をしているイメージ。

でも、少し違う彼を見られたという優越感。

　

　

「ありがとうございます」

「別に」

「ひばさん、恭さん、やっくん・・・・・恭くん」

「なにそれ」

「雲雀さんのあだ名。
　よし、今日から君は恭くんだ！」

「・・・・・・・・・・・」

　

　

不満そうな顔をしているがそんなことを気にするような精神は持ち合わせていない。

風をきる感覚が気持ちいい。

時間がたつのは早く、マンション前についた。

お礼を言って雲雀さん・・・いや、恭くんを見送った。

　

　

　

　