第４１話 Side/Bangtan Boys ページ41
グループとして活動してきた時間が長くなれば長くなるほど、メンバーが考えていることはわかりやすくなってくる。
些細なことまでは気づかないとしても、それが苛立ちや不安だとすれば何となくは察せられるものだった。
特に、今回それを抱えていたのは一人だけじゃなくて、恐らくメンバー全員が多少なりとも同じ感情を持っていた。
だから、進まない練習に終止符を打って気分転換を打診した。
ナムジュンの考えを一番に悟ったのは最年長であるソクジンで、その食いつきの良さからして、ナムジュンが提案しなければ自分から提案していただろうと容易に推測できた。
そうして行う事になった気分転換だったが、何をすればいいのかはよくわからなかった。
ホソクを連れだって出てきたものの、特に妙案があるわけでもないのだ。
「えっと、ナムジュン……何処に行くつもりなの？」
「わからない」
「だったらせめて一回目的地を考えたりさ。目的地不明ってカッコいいかもしれないけどぶっちゃけちょっとどころじゃなく不安なんだけど。あ、マスク。マスクはしようよ、とりあえず」
必要最低限、上着と財布だけ持って歩き出したナムジュンを追いかけるホソクは同じく最低限の荷物だけを持ったようだった。
それでもサッとマスクを二枚出してくるのだから、今日のところは彼の方が冷静なのだろう。
――そう、今の自分は冷静じゃない、まったく。
気分転換を提案した時には自覚がなかった。
今だって、ホソクに諫められるような声掛けをされなければ無意識に様々な事をやらかしていたかもしれない。
なんだかんだ言って、自分が一番あの空気に疲れていたのかもしれないと渡されたマスクをつけながら思った。
リーダーであることが苦痛だとは思わない。
けれど、自分が多くの事柄を全部抱え込んで消化できるほど大人じゃないという事は事実なのだ。
年齢的には大人になったばかりで、でも、デビューした時から大人の世界に足を突っ込んでいたという考え方もできる。
いつもは後者の考え方を頭の中で前面に押し出して、疲れた体を無理やりにでも前に進ませている。
このグループは自分が始めた、始めさせたのだ――そんな考えが何処かにあるから、ナムジュンは自分だけは止まっても、迷ってもいけないのだと思っている。
「海、見に行かない？」
「海？」
人気のない道ばかり歩き回って数十分、文句も言わずについて来ていたホソクに提案され、ナムジュンはやっと足を止めた。
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はちうん(プロフ) - 繭さん» ありがとうございます。意識はしているのですが、たまに変な文章を書いてしまうので、そう言っていただけると嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2018年3月14日 16時) (
レス) id: 0891d2b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
繭(プロフ) - コメント失礼します。はちうんさんの文風がすごく読みやすくて尊敬します！これからも頑張ってください！ (2018年3月13日 13時) (レス) id: dba4d43671 (このIDを非表示/違反報告)
はちうん(プロフ) - KNさん» コメントありがとうございます、嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね。 (2018年3月12日 7時) (レス) id: 0891d2b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
KN - コメント失礼します。この作品すごく好きです。毎日チェックしてます(笑)文章がとても綺麗ですね!これからも応援してます!ファイティン! (2018年3月12日 0時) (レス) id: de585078da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：U_hi | 作者ホームページ：http://id35.fm-p.jp/408/yuna3lone/
作成日時：2018年2月19日 2時
