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「はい。じゃ、お願い聞いたんだから成仏しよ？」
“…やっぱり成仏しなきゃだめ？”
男の子は花をぎゅっと握りぎこちない笑顔を向ける
前回もその笑顔にくるみ は無理やり成仏させることができなかった
「はぁ〜もぉ早く成仏しないとこわーーいお化けが来ちゃうぞ！」
“ふふっ僕もうお化けだよ？”
男の子の目線に合わせてしゃがむと
男の子は交通事故の跡地を指差した
“毎日ねお母さんが来てくれるんだけど、ずっと泣いてて…僕凄く心配なんだ”
指刺された場所にはお菓子や玩具が添えられている
男の子の母親が毎日ここに来ては置いていくのだ
“まぁ僕もうお葬式すんでるんだけど…あっ”
男の子の声に下を向いていたくるみ は顔を上げた
男の子の目線の先には弱々しく背中を丸めてかがむ女性の姿があった
「…お母さん？」
“うん”
くるみ はふぅっと息をはくと立ち上がり母親の元にゆっくり足を進めた
「あの」
「…なん、ですか？」
ハンカチを目にあてながら顔を上げる母親
「貴女が泣き止まないと
ここにいる男の子は成仏出来ないそうです」
「！？な、なにを言っているの！？」
「だから、何時までもメソメソ泣いてるとここで死んでしまった子が浮かばれないって言ってるんです！」
母親はビックリしながらくるみ を見上げる
「っ、貴女に何が分かるんですか…あの子はまだ１０歳で、っ」
「その１０歳の男の子に心配されてどうするんてすが…
貴女がそんなんだと“助けたられた弟”が可哀想じゃないですか」
「えっ！？」
涙を流していた母親はどうしてと驚いた表情を浮かべる
「この子が教えてくれました
弟をかばって亡くなったんですよね？
貴女が泣き止まないからずっと成仏できなんですよ？」
「！！！」
くるみ が触れた幽霊の男の子は
見えていなかった母親の目にもちゃんと写った
「あ、あぁ、うそ…」
“ママもう泣かないで”
「うぅっごめんね、ママがちゃんと見てなかったから…ママのせいで…」
“ママのせいじゃないよ
だから泣かないで
これからは弟を守ってあげて”
「…っ、うん、ごめんねこんな、ママで…」
母親は涙を脱ぐって触れることの出来ない男の子を抱き締めた
「安らかに眠ってね…」
“うん…バイバイ
おねーちゃんもありがとう”
くるみ はなにも言わずに手をふると男の子は消えていった
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作者名：つき | 作成日時：2018年12月21日 19時
