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抱き寄せ顔を掴む男にくるみ の心は揺れていた
両親がいなかったくるみ は祖母の手一つで生きてきた

幽霊が見える事に脅え、見える事を奇妙がられ
容姿だけを気に入り寄り添ってくる大人にくるみ は何時も孤独を感じていた

そんな中白神神社の本尊の矛は何時もくるみ の目の前で堂々と輝いていた
その輝きを見るたびにくるみ の孤独を忘れさせてくれる心の拠り所だった

そして、何時しか矛を振るうようなり
脅えていた怪異に立ち向かい恐れることを忘れた



(これからも此処にいればいい
何もしないでただ此所に入るのだ)

「何も、しないで…」


そうだ。何故わざわざ自分の命の危険を侵して迄尸魂界なんかに…

なんで私が他人の命なんて…





いや、違う
私は変わりたいんだ
ずっと一人でいる事を心地いいと勘違いしていた
否、心地がいいと思い込もうとした

本当はもっと色んな人と話したかった
でも、心を読んでしまうこの力のせいで
幽霊を見る自分に奇妙な目を向ける他人との関わりに脅えていたんだ…




「私は、」

(…)

「私は弱いままの私でいたくない…
もっと人を信じたいし何より強くなりたい


そして、貴方の名前が知りたい」


(っ、!)



男はくるみ の体をつき離すと眉間にシワを寄せて睨み付けてきた
何故だ、どうして、と小さくて溢しながら


「大丈夫貴方の事は一人にしない
と言うかお願い。私と一緒に闘って欲しい」


くるみ はそう言って一歩近づいて手を伸ばした

「貴方の力が私には必要なの」

(お前は間違っている)

「間違ってない。私は自分の意思で決めた。
強くなるって…
だから私と一緒にきて!」





ずっと見てきた
そばにいた
俺だけがくるみ の拠り所で俺だけを求めて欲しいと
求めていると思い込んでた
でも違った。もっと外を見ている
こんな狭い部屋なんかじゃ収まりきらないほどの力で

「間違ってないよ。私は貴方を求めてる」

(っ!)

「なに驚いてるの?ここは私達の本殿。貴方の声がここに聞こえないわけ無いじゃない」



くるみ は自分の胸に手を当てる
相手の気持ちをよみ取る力
こんなものが有るからくるみ は孤独になり
こんなものが有るから一人を選らんでいたはずだった




(お前の側は心地がいい)

「私も貴方の側にいると強くなれる気がする
だから、私と一緒にきて



弄月(ロウゲツ)



(何処までも共に)

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設定タグ:BLEACH , 原作 , 市丸ギン   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:つき | 作成日時:2018年12月21日 19時

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