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一日の殆どを神社で過ごしているくるみ の休める時間と言えば
土日の神社を閉めてからである
自給自足をしているくるみ だか
肉や魚、生活用品等は勿論スーパーに買い出しに行く
「あー重いまとめて買いすぎた」
両手にはパンパン品物の詰まったスーパー袋が二つ
たまの買い物に欲張りすぎたとくるみ は少しだけ後悔していた
「っ?何この間じ…」
薄暗い道路にピリピリと張り付く空気にくるみ は足を止めた
うううぅ、ググゥゥ…
「うめき声?っ!!!」
ガシャーーーーン!!!
「なぁっ!?」
突然けたたましい破壊音を轟かせ暗闇から飛び出してきた“何か”に驚きながらもかわして着地する
暗闇で光るそれの目がくるみ をとらえた
「な、化け物…」
“あああぁお前か…いい匂いだヴマソゥゥゥゥゥ”
「!?!いッ」
大きな化け物は鋭い爪でくるみ を切り裂いた
膝丈のスカートから覗く足に爪がかすれ真っ赤な血が流れる
“グルルルル”
「痛っい!っ、マジかよ!あれって虚ってやつじゃ!
前に見たやつはもっと小さかったけどコイツら固体差があるの!?
と言うか、今矛持ってないんですけどー!!」
防戦一方のくるみ は傷ついた足を引きずりながらも虚の攻撃を避ける
「ふっざけんな!!!死神仕事しろ!!!!」
「死神?滅却師の方がよっぽど有能で仕事が出来るんだが知らないのか?」
ビュンッと目にも止まらぬスピードでくるみ の横を通りすぎた
光の矢が虚を貫いた
「…死んだの、か?」
「大丈夫ですか?」
「あぁうん、助かった…」
地面に座り込んでいたくるみ はすぐと隣で手を差しだしてくる青年を見上げる
「貴方も虚が見えるの?」
「あぁ、それを倒すための一族だからな」
「その、制服…空座第一の生徒?」
青年の手を取り立ち上がりスカートについた埃をはらう
「っ、ちょっと待て」
「え?、ちょっ、何!?」
青年は立ち上がったくるみ と反対にしゃがみこむとスカートに触れ
「足の怪我はたいしたこと無さそうだがこのまま帰るのは良くない」
「ソーイングセット?」
手には針と糸
何をするのかと問おうとしたのもつかの間
あっというまに裂けたスカートを縫い合わせた
「凄い…あ、ありがとう」
「いや、問題ない…それよりもこれは貴女のですか?」
道にバラバラと落ちている品物を指差すとくるみ は急いでそれを拾った
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作者名:つき | 作成日時:2018年12月21日 19時