真夏の太陽【BLEACH】

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「ｻﾞｴﾙｱﾎﾟﾛを見た…
瀞霊廷に殴り込みにでも来たの？」

ｼﾙﾊﾞｰ「…さぁ…どうでしょう…ｻﾞｴﾙｱﾎﾟﾛ様はそのつもりが無くなったみたいなので
僕もいかなきゃ」

「ｻﾞｴﾙｱﾎﾟﾛ様？っちょ、」


ｼﾙﾊﾞｰの半分割れた仮面から見えた瞳は
透明の様にも見えた
ガラスの様に澄んでいて写り混んだ花やくるみの肌の色までもが反射しまるで虹のようにキラキラと光っている

ｼﾙﾊﾞｰはくるみの制止を無視し
まるで霧が晴れるかの様に消えた



「同じ消え方…一体なんなの…」


くるみを前にしても刀に触れる素振りさえしなかったシルバー
それどころか敵意もなく悲しそうな表情をしていた彼に
全く理解が追い付かなかった



≒


無間

存在するはずの無い灯り
崩玉と融合した身体は投獄されて以来
浴びていなかった光にも直ぐに目を慣れさせた

通常ではありえない光景を前にしても
藍染の目に驚きの色も困惑の色もない

寧ろこうなる事を予想していたとでも言うかの様に
口元に笑みを浮かべて呟いた



藍染「これはこれは
古参の受刑者にお目に掛かれて光栄と言うべきかな」


流暢な言葉使い
常人ならば、舌や喉を動かす感覚を取り戻すのに時間がかかり
声を出す事などままならないだろう


藍染「君の事は何と呼ぶべきだろう
本名である痣城双也(あざしろそうや)か
あるいは尸魂界最強の死神に許される称号に細やかな敬意をこめ、こう呼ぶべきだろうか

十一番隊、八代目隊長

痣城剣八(あざしろけんぱち)とね」


藍染に己の名前を呼ばれた男の後ろから、白い着物を纏った女がヒョイッと顔出す


「キハ！キハハハ！
見てよねぇねぇ！こいつ！藍染って奴！全然焦ってないよ！
急に明るくなったのに！
急に自分の目と耳と口が自由になったのにさ！
超余裕って感じだよ？これが崩玉の力って奴なのかな？
凄いじゃんカッコイイじゃん！奪っちゃいなよ崩玉！
剣の字ならできるだろ？キハハハ！
キハハハハハハ！」


無駄口を叩きながら笑う女
だが藍染は特に反応を示さず薄い笑みを浮かべたままだ
痣城は静かに目を細めて女にだけ聞こえる声で呟いた


痣城「お前は黙っていろ」


大仰に両手で口を押さえた女から視線を藍染に戻した
抑揚の少ない声で答える


痣城「私の事を知っているならば話が早くて助かる
後に無駄な問いかけをされぬよう
最初に断っておくが…
私は君の犯した罪にも崩玉にも興味はない
ただ‘外’について、いくつか尋ねたいだけだ」

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