真夏の太陽【BLEACH】

21 ページ21

-

観音寺「ふっ…私の正体が気になるかね？
確かにこのままではただのスーパースターにしか見えまい
私の名前はドン・観音寺！
君達のようなソウルの声に耳を傾けるカリスマ霊媒師！
共に救いへの道を探し歩む占い師(ﾌｫｰﾁｭﾝﾃﾗｰ)でも有るのだよ！！」

ｼﾙﾊﾞｰ「…は？」

更にポカンとしながら観音寺を見る

観音寺「私に出来る事ならば喜んで協力しよう！私はユーの為に
夜は深き闇を越え、天を駆け抜け、魔王にさえ立ち向かおうではないか！
何故なら、それが私の使命だからだ！」



何を言ってるんだこの人間は

派手な装飾にカラフルな服

真っ白い僕とは大違い

体や顔のパーツは何処と無く美しいけど
全部が集まると何か、微妙ですね


しかし、どうしましょう…ｻﾞｴﾙｱﾎﾟﾛ様には空座町で待機していろと命令がありますし…

一体この人間はどうしたら…



ｼﾙﾊﾞｰはそこでハッとする
今の主であるｻﾞｴﾙｱﾎﾟﾛと繋がる糸が切れている

連絡が取れなくなったｻﾞｴﾙｱﾎﾟﾛに
ｼﾙﾊﾞｰは何処かほっとしていた

しかし、自分はこれからどうすれば良いのかと自分の存在理由が見つからない

僕は何のために生きているのか

自我を持たない人形はｻﾞｴﾙｱﾎﾟﾛにより人形として扱われ存在価値を見いだしていた



観音寺「何ゆえ更に悲しそうな顔をするのだ！
もしや！私が何か不味いことを言ってしまったかね？」

ｼﾙﾊﾞｰ「やれやれ…貴方は忙しい人ですね〜
そんなわけないじゃないですか…

悪いのはこの僕だ」

観音寺「ノー！簡単に自分を悪だと結論ずけてはいけない！
君はただ、自分のソウルに従って
ありのままの気持ちを話してくれればいい！」

ｼﾙﾊﾞｰ「ありのままの…僕の気持ち」

どうやらこの男は僕を救おうとしてくれている様だ
こんな弱そうな人間の男が僕を？
何故そんな事をするんだ
何の特があるっていうのだ
何処にそんな力があるんだ



ｼﾙﾊﾞｰ「僕には分からない事だらけですね…」

観音寺「ん？」

ｼﾙﾊﾞｰ「だって自分が何故悲しい顔をしているのか…
僕自身が望んでいる事…それさえ分からないんですよ？」

観音寺「どういう事だね？ボーイ」



ｼﾙﾊﾞｰはゆっくりと観音寺をみて話し出す



ｼﾙﾊﾞｰ「僕には…もう、何も分からないんです。自分が何をしたいのか何のためにここにいるのか…だって僕は一人ぼっちの人形だから」

22→←20

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す