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井上「うんうん…うぅ、二人に話して、よかった…」
ルキア「ほら、もう泣くな!弁当はどうする!もうかたずけるか?」
井上「まだたべる!」
「忙しい奴だなぁ、井上は」
井上「えへへっ、今食べたら全部しょっぱくなっちゃうかもしれないね!」
服の袖口で涙を拭きながら言う
ルキアはそうだなっと笑いながら小皿と箸を差し出した
「何だか…あの時に戻ったみたいだね」
ルキア「あの時?」
現世にまだいた頃
井上を慰めるルキアの姿が重なる
あの時私は彼処から走って逃げたんだった
井上「あの時…どうして加藤さんは急にいなくなっちゃったんですか?」
あの時の事を直ぐに思い出した井上は首をかしげてくるみ をみる
少しだけ困ったようにん〜と悩んだが素直に口を開く
「あの時…私も淋しかったんだ、
皆と戦えないっておもったら…
そう考えたら涙が出て来て…カッコ悪いし、恥ずかしいしで…走って逃げちゃった」
井上「え、えぇー!じゃ私もこんなに泣いた…恥ずかしい奴っておもって…」
「あーあーあー!そんな事はない…
あの時はその友達の前でカッコ悪い所見せたくなくて…
でも、今は友達には何でも話せるって思ってるよ」
はにかんだ顔で二人を見れば
キラキラした目を向けられていることにきずく
ルキア「そうだな!友達なのだから何も恥ずかしがる事はない!」
井上「うんうん!そうですよ!加藤さんもちゃんと涙流すんですね!
なんか、強いイメージあるから泣かなそうって勝手に思ってました」
それはそうだ…
今まで人前で泣くなんて事したことをしては無かったのだから
しかし、そんなくるみ の涙を何度も見ている男がいた
「泣き場所があるって言うのは…とてもこころ強いものだよね」
井上「ん?はんへふは??」
小さい声にちゃんと聞き取れなかった井上は食べていたもの、口一杯に詰め込んでくるみ をみる
「何でもないっ」
井上「あっ!」
ルキア「今度はなんだ?」
ルキアが問うと井上は二人に見えるように小皿を傾けた
井上「見てみて!良くできてるから仲間だと思ったのかな?」
強い風に飛ばされて来たのか、花びらの形の酢の物入れに
本物の桜の花びらが数枚、寄り添うように載っていた
それを見た三人は顔を見合わせ、誰ともなく微笑みあった
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作者名:月。 | 作成日時:2019年4月5日 1時