彩る日々【BLEACH】 (ページ28)

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二人は平子の姿が見えなくなるまで見送り
ゆっくりと並んで腰をおろした

井上「加藤さん、平子くんとほんっっっとに仲良しなんですね！」

「仲良し…毎日口喧嘩するけどね」

ルキア「平子隊長はそのやり取りまでも好んでいるに見えるがな」

二人の言葉にくるみは少しだけ恥ずかしくなり口を尖らせる

井上「皆元気みたいで安心しちゃった！ひよ里ちゃんだけちょっと心配…かな？」

「向こう帰ったら会いに行ってあげてよ。きっと喜ぶからさ」

春の日差しはぽかぽかと暖かく
それを浴びた柔らかな草もじんわりと暖かい

くるみはあぐらをかいていた足を伸ばし深呼吸した
若い緑の清々しい香りが鼻をくすぐる

井上「朽木さん、あの…あのね？」

その場には三人しかいないのに
妙に小さい声で井上は口を開く

ん？と首を傾げるルキアに、物凄く言いづらそうにモジモジしながら言う

井上「えっとね…お弁当の残り…食べてもいい？」

ルキア「…え？」

電子書簡に書いてあった【相談したいこと】の話が始まるのだろう
と、思っていたルキアは一瞬事態を飲み込めず大きな目をぱちくりさせた

「ぷっ、何でそんな深刻そうなのさ」

ルキア「あ、あぁ、勿論だとも」

脇に避けてあった重箱を井上の前におくと
ありがとうと満面の笑みを見せる井上

それをみてルキアはふと心配になった

ルキア「井上、無理に食べずとも良いのだぞ？先程も言ったが
元より三人で食べきれる量のではない…」

井上「無理じゃないよ！もう、ただただ食べたくなって！
ちょっとお腹落ち着いたら
あぁ、あれ美味しかったなぁ…
ってなっちゃって！朽木さんの加藤さんに

‘井上ってめちゃくちゃ食べるなー’

って思われたら恥ずかしいな、って思って言い出せなかっただけで、本当はもうちょっと前から食べたいなぁーって思ってて…！！！」

ルキア「わかったわかった！」

「おお、マシンガントーク…
そんな事気にしてたの？？」

ものすごい勢いで弁明してくる井上をなだめ、小皿と箸を渡す

ルキア「たくさん食べることの何がいけないのだ？
恥じることなどない！さぁ、私の事は良いから存分に食べてくれ！」

井上「うんっ！ありがとう！じぁあ頂いまーす！」

「ふふっ、作った人も喜ぶよ
こんなに美味しそうに食べてくれたってしったら」

ルキアは同じ事を考えていたなと
くるみの方を見れば
とても優しい笑顔を井上に向けていた

その表情が余りにも美しくて
少しだけ息を飲んだ