moon light 2 【天/月】【ま/ふま/ふ】

【12-1】光と陰 ページ3

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「わぁー、天月くんのトマトソースハンバーグも美味しそう！1口交換こしよーよ！」


「あーうん、どうぞ……」


「わーい！いただきまーす」



ハンバーグレストランに着いた私達。



4人掛けテーブルの向かいの席では、天月くんと陽花ちゃんがハンバーグの交換をしていた。


「ねぇA、あの２人ってカップルかなんかだっけ？」


隣に座るまふくんは、眉間に皺を寄せ、私にコソコソと耳打ちをする。


「仲良さそうでお似合いだよね」


私がそう耳打ちで返すと、まふくんは「一方的な仲良しに見えるけど……」と苦い笑みを見せた。




一方的……？言われてみれば、確かに天月くんの笑顔がぎこちないような……




陽花ちゃん可愛いから、天月くん緊張してるのかな？




そんな事を考えながら、天月くんを見つめると


「ん？Aもトマトソースの食べる？」


彼はそう言い、自分のハンバーグにナイフを入れる。


「私、そんなに物欲しそうに見てた……？」

「そういう訳じゃないけど、Aとまふくんの和風ハンバーグも美味しそうだなーって」

「ふふっ、じゃあ1口交換する？」

「やった！」



小さなガッツポーズをする天月くん。



「Aっ！僕のハンバーグとも交換しよ！」

「まふくん、私と同じのだよ……？」



私が首を傾げると、まふくんは何故か、拗ねるような素振りを見せた。



みんな、そんなに和風ハンバーグが好きだったんだ……！



私が小さく笑うと、天月くんも釣られるよう、その愛嬌のあるえくぼを見せてくれた。






「はい、俺のどうぞ」



天月くんが私の前に差しだした小皿には、トマトソースのハンバーグが1切れ。



「ありがとう！ちょっとまってね、私も切るから」

「ダメだよ！Aの和風ハンバーグにはそば粉が入ってるらしいから、代わりに僕が食べるよ」

「おい！？入ってる訳ないからね！？」



そば粉アレルギーの天月くんは、まふくんに慌ててツッコミを入れる。




そんなやり取りが面白くて、私また笑を零した。



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