東卍にイタい厨二病がいた件について。

拾捌の刻 ページ19

side男主

8月1日。
タケミっちが退院出来たそうだ。
やはり恋心を抱きし者達の愛の力(アガペーパワー)は素晴らしい……。

しかし昨日真一郎に連絡を入れてマイキーの様子を見てほしいと頼んだが、まさか本当にパーを出所させるために金を用意すると決意したとは驚いた。
九井一の力を使う位でないと出所させる金を用意するだなんて無理に等しい。
パーの両親も恐らく許さないだろうし、東卍のマイキー派メンバーや家族から金が集まるかと言えば無理な話だろう。
しかし真一郎曰く九井一と接触したような様子では無かった。
つまり、マイキーには金の宛があるという事になる。

だが、そのような金を持つ人物は東卍にいただろうか……？
ムーチョがツテを辿っても駄目だろうな。あやつ(・・・)がムーチョの上にいるのだから。

という事は、東卍でも家族でもない……部外者からの金、ということだろうな。

『しかしパーを出所させて利益が出る部外者などいるだろうか………？

…………否、恐らく……取引の可能性が大きいな。』

パーを出所させる金を用意する代わりに、マイキーに何かしろ、という可能性。
東京卍會は中学生の集団の割に大きい。高校生の集団である愛美愛主も引き入れた訳だ……流石に取引相手の傘下に入れ、はないだろう………リスクが大きすぎるからな。

じゃあ…………誰が一体、何を企んでいる？

「ダーテちゃんっ」

『っ！………マイキーか。驚かせるな……俺は今右手に封印されし創造神(ゼウス)を沈める儀式をしていたのだぞ…………』

「ごめんごめん。てか堕天使の割に神が宿ってんの？」

純粋な疑問をぶつけられた。

『ああ。俺はかつて創造神(ゼウス)の眷属としてあやつの下についていた………しかしもうそのような愚かな記憶は忘れた。俺はあやつより強大な力を手に入れ＿＿＿＿』

「分かった分かった！つまり神が宿ってるんだよな」

区切るなマイキー。
俺が折角簡潔にまとめて話していたのだぞ。

「まあとりあえず、タケミっちの所にお見舞い行こうぜ」

『フッ………無駄に耐久力のあるあやつのことだ……きっと既に回復しているだろう』

しかしタケミっちの家へ向かうとドラケンに遭遇しそうな気がするのは気のせいか？
邪気眼を持った影響なのか……俺に未来視の力は無かったはずだがな。

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