【うたプリ】二次元へトリップしたようです…！

20 なんで… ページ24

音也side_

翔…きっと辛かったんだろうな…
分かるよ、もし俺が翔の立場だったら泣く…

だって、俺も翔と同じで…
好きなんだもん、Aの事が…

俺は翔の気持ちに気付いてたんだ…
だから、俺も苦しく感じた

部屋を出て行く翔の姿が

どうしてもほっておけなくて
うずうずしていた…

いや、正直皆そうだったんじゃないかな…

音)…、

ふと外を見ると1人
ベンチに腰掛ける翔の姿があった

翔side_

あれから俺は耐えられなくなって
1人ベンチへと足を向けた

次第に進む足は転ぶんじゃないかと言うぐらい
早く、早く…気付くと走っている程だった….

翔)っ…はっ..

俺が息を切らしてベンチについた頃には
既に頬には雫が垂れていた

翔)はぁっ…くるしっ……

肩で息をしながら荒々しくベンチに座る俺に
襲いかかる苦しさは、走ったせいなのか

それともAが俺の事を

忘れていたからなのか…


そんなの分かり切っていた…

翔)くそっ…！

走った辛さなんてちっとも分かりやしない…
好きな奴が自分の事を忘れている。

それだけで発作を起こしちまうんじゃねぇか
ってぐらい胸が締め付けられて苦しくなった

翔)1人だけ自惚れて…馬鹿みてぇっ..

もしかしたらAも…なんて..

勝手に自己暗示かけて

突っ走って

傷付けた

翔)だからっ、忘れちまったんだっ…

俺の頬を流れる雫は止む事を知らなかった

翔)んでっ…こんなに苦しいんだよっ…

俺は泣きながら何回も、何回も
愛しいあいつの名前を呟いた

A…A……

俺の、一番…

大切な人


翔)っ……….、

俺は帽子を深く被り

今はただ、泣きじゃくる事しかできなかった


ーー…

あれからどれだけ泣いてたんだろ俺…

目が赤くなって声が掠れて …

翔)…はぁ

こんな泣いたのは久しぶりだな、と
鼻を啜りながら呟き俺は顔を洗っていた

ト)……翔。
翔)…よぉ(にこっ

顔を洗ってる俺に
後ろから声をかけてくれたのはトキヤだった…

翔)どうした？
ト)どうした？じゃありませんよ、声も掠れて

平然を装いタオルで顔を拭きながら言う俺に
トキヤは淡々と返した…

翔)…まぁ、これは、なんとかなる。

Aの事に比べたら全然いい…
俺は歌ったりすんの好きだ…

だけど、Aが俺の前から消えて…
俺の前で笑ってくれなくなるぐらいなら…

翔)…声なんか
ト)……そんな事聞いて、Aさんがいい気をするとは思いませんがね。

俺が黙るとため息を吐き
思い出してもらいましょう…と呟いた

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あずきいろ

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七海 春歌

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