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何度も頭を下げたみつを受け入れ
その"罪"を共に最後まで背負うと決めた。
きっと
太輔を笑顔で送り出したあの日から
一人でしていたであろう、大きな覚悟。
一度も太輔の病室に訪れなかった間のことなんて
見るからにやつれたその顔と
ぎこちない笑顔から
言わずとも伝わった。
こんな時でも無理させてる自分が不甲斐なくて
「、、、みつ。」
俺らはここにいるからって
抱きしめることしか出来なくてごめん。
こんな時でも涙を見せないみつの代わりに
みつを囲って抱きしめる俺たちだけが
声を出して泣いた。
・
「 横尾さん?どした?」
その声にハッとして思わず
スリップしてた自分に気づいた。
この季節は雨を見ると
どうしても
あの日のことを思い出してしまうんだ。
きっとこの先、何年という時を重ねても。
・
俺を見つめるその瞳は
あの日から深い深い黒に覆われていて
本当のみつが見えなくて
目が合ってるのに
目が合ってないみたいだ。
・
「 ううん。なんでもない。
今日くたくたに煮すぎちゃったよねごめん。」
キムチ鍋をつつきながら
みつは確かにって、片方だけ口角を上げて笑った。
この季節は、
俺がみつの家に泊り込むことが恒例になっていた。
雨が降る日が増え
梅雨に入り
あの日が近づくにつれ
太輔の誕生日が近づくにつれ
みつが壊れていきそうで
みつまでも消えてしまう気がして
不安でたまらなくなって。
・
勝手に転がり込んだ俺を
その気持ちを理解してくれたのか
優しく受け入れてくれて
今日も俺はここにいる。
・
ローテーブルを挟んだラグに座って
二人がけの小さなソファに
寄り添うように座り
俺の手料理を美味しい美味しいって
食べてくれる二人がいる景色を見るのが
本当に好きだった。
今
ローテーブルを挟んで見えているのは
みつと
みつの隣の、ぽつんと空いたその場所。
・
太輔がたくさん溢れたままのこの部屋には
・
・
太輔だけがいない。
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サヨナラよりアリガトウと
かなり似てます、、。
この話だけで短編書きたかったのですが
想像力足りず断念したのでここで消化(>_<)
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ア :(プロフ) - まゆかさん» まゆか様はじめまして。コメントありがとうございます。今後もご愛読よろしくお願いします(^^) (2022年8月8日 0時) (レス) id: 8fb4f61407 (このIDを非表示/違反報告)
まゆか(プロフ) - もう……限界かも…… みっくん どーするんだろ!! (2022年8月7日 18時) (レス) @page21 id: 479294a46e (このIDを非表示/違反報告)
まゆか(プロフ) - はじめまして、いつも拝見してます なかなかコメントしてなくて💦太ちゃんいいですね。みっくんも包容力あっていい男!!藤北が好きでしたけど 最近は北藤も好きになって いろんなの読み漁っております笑 甘々なみっくん サイコーです (2022年8月7日 17時) (レス) @page24 id: 479294a46e (このIDを非表示/違反報告)
ア :(プロフ) - ここさん» ここ様こんばんは! 分かります分かります!わたしは包容力ある北山くんが好きで最近は北藤に寄ってます(笑) 嬉しい褒め言葉ありがとうございます(涙) これからも頑張ります!またお気軽にコメントください☆ (2019年8月20日 0時) (レス) id: 176b5a577c (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 以前から読ませて頂いてました!切ない展開が好きで健気なたいぴさんが好きなので個人的には北藤が特に好きです。ですがア:さんの書かれる藤北も北藤も素敵なので更新を楽しみにお待ちしてます! (2019年8月19日 21時) (レス) id: fa7cff84af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ア:
作成日時:2018年12月2日 15時