93 ページ10
·
「あのさ、彩」
バスを降りて、家まで歩いて向かう途中で翼が口を開いた。
そして、私の前に来て立ち止まった。
「ごめん!」
深く頭を下げて、謝ってくれた。
サラサラな髪がゆれ、頭を上げたと同時に顔にかかる。
「言い訳になるかもしれないけど、聞いて欲しいんだ。彩に隠し事はしたくないから」
そう言って、翼は加藤さんとのことを話し始めた。
加藤さんにはずっと前から告白されていたこと、私には心配をかけたくなかったから話さなかったこと、なんかを。
そして、あのハグの理由も。
「俺も軽率だったよ。不安だったんだ。加藤のことを言ったら、彩との関係が壊れそうで」
「もういいよ。翼」
理由は分かった。
翼が選んだことなら、私は何も言わない。
落ち込んでないって言ったら嘘だけど、仕方のないことだったんだよ。
「加藤さんも辛かったんだよ。翼のこと好きだっただろうに、私がいたから」
「それは違う!彩は何も悪くない」
必死でそう言う翼。
翼を好きな人は沢山いるだろうに、私のせいで告白もできないなんて申し訳ないな…なんて。
「俺が好きなのは、彩だから」
真っ直ぐな透き通った瞳で見つめられ、私は恥ずかしくなる。
こんなときにだけど、翼って本当に美少年だよね。
11人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
叶 - トライアングルおもしろすぎです!!!応援しています (1月9日 13時) (レス) @page11 id: 3f3046b9e0 (このIDを非表示/違反報告)
ほたく(プロフ) - すいかさん» コメントありがとうございます。本日公開させて頂きましたので、ぜひそちらもご覧下さい。お待たせしてしまい、申し訳ありません。 (8月8日 2時) (レス) id: 1f325a4019 (このIDを非表示/違反報告)
ほたく(プロフ) - 彩羽さん» ありがとうございます。本日公開させて頂きましたので、ぜひそちらもご覧下さい。これからもよろしくお願いします。 (8月8日 2時) (レス) id: 1f325a4019 (このIDを非表示/違反報告)
彩羽(プロフ) - 続きめちゃめちゃ気になります!ほたく様のペースで更新頑張ってください…!! (5月9日 11時) (レス) id: 9c92110093 (このIDを非表示/違反報告)
ほたく(プロフ) - すいかさん» コメントありがとうございます。お待たせしてしまい申し訳ありません。6月1日公開予定ですが、延期する場合もございます。ご了承ください。 (5月8日 23時) (レス) id: 3c825cfa3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほたく | 作成日時:2023年5月1日 1時