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申し出 ページ32

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慌ただしいような、楽しいような、でも寂しいような。そんな学校祭一日目はあっという間に終わった。


その帰りに顧問の先生に呼び出された俺は、学校祭明けの練習メニューについて軽く打ち合わせをしていた。


帰ろうと鞄を肩に掛けた時には、もう外は暗かった。


学校祭最終日に向けて各クラスの持ち場を補修していた生徒たちももうほとんどいなかった。





「───お婆さんこんにちは。何か御用かしら」




ふと聞こえた声は、暗い廊下に光が漏れる灯りがついた教室から。





「───まぁ!美味しそうな林檎!」




あぁ、前にもこんな場面に出くわした。




「───そうね、一口だけ頂こうかしら」




教室を覗くと、台本を片手にしなやかに、でも大胆に。


凛とした透き通った声は、彼女以外誰もいない室内に反響する。





「うーん、ここはもう少し大きく手を振ったほうがいいような」




演技を止めて台本と睨み合う彼女に、俺は躊躇することなくドアを叩いた。


肩を震わせてゆっくり振り返ったAさんは、一瞬強張った表情をしたものの俺だとわかるなり笑顔になった。





「赤葦」

「お疲れ様です」




俺は隅に寄せられた机に鞄を置いた。





「赤葦、また覗き見、」

「ノックしたじゃないですか」




そう言われると思ったから先手を打った。


貴方のことが、手に取るようにわかるのは、やっぱり思考が木兎さんと似ているような気がするからだろうか。






「また無理してるんじゃないですか」

「そーんなことないよ?明日本番だし。一応さっきリハやったんだけど、私暫く学校休んでたから心配で」






台本を撫でるその手は、まるでペットを撫でているかのように愛おしそうで。






「赤葦、さ」





黒板前の台に上がり、教卓に手を掛けている俺を呼ぶ。







「ちょっと、手伝ってよ」






それは、彼女からの思いがけない申し出だった。








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白雪姫→←とある会話



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設定タグ:ハイキュー , 梟谷 , 赤葦京治   
作品ジャンル:恋愛
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凛々 - 赤葦と夢主の掛け合いが素敵…。甘さが私に合いすぎです!続きが気になって仕方ないです。 (2019年11月8日 20時) (レス) id: df09ac0ca3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 39話以降のタイトルのセンス良すぎでは…。全話タイトルつけてほしいくらいです。。。 (2019年9月23日 18時) (レス) id: c3e4fd17c8 (このIDを非表示/違反報告)
madoka - コメント失礼します。小鈴さんの作品は「これぞ純愛!」って感じがして、穢れが一切ない感じがたまらなく好きです!今回もいい感じのキュンキュンありがとうございます!番外編と続編も楽しみにしています!これからも頑張ってください! (2019年9月20日 13時) (レス) id: b7f00b86d0 (このIDを非表示/違反報告)
ずー(プロフ) - あまーい!!実は木兎さんが主人公に片思いをしていたこともめっちゃ胸キュンでした!!本当に小鈴さんの作品大好きです!!!!! (2019年9月19日 13時) (レス) id: 1ffe4440e9 (このIDを非表示/違反報告)
すいか(プロフ) - めっちゃキュンってくるのと、赤葦のかっこよさが、いつもより増してまじでよかったです!他の作品も読んでみようと思います (2019年9月18日 20時) (レス) id: 2af2bdbcf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小鈴 | 作成日時:2019年9月7日 19時

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