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#38 ページ38

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「赤葦」





私が呼び止めると赤葦が振り返る。


鼻がツンとする。








「赤葦が今までやってきたことが、全部木兎のためだって言うなら、少しは私にも優しくしてよ」







違う。


こんなこと言いたいわけじゃないのに。


私だって、木兎と一緒にいる時間が減っていることは、勿論寂しいに決まっている。


でもこれは甘えだ。


木兎の彼女だから、特別扱いしろという、甘え。


違う。違う違う違う。


赤葦が見たことのないような表情で私を見ている。







「それなら、少しは俺にも付け入る隙をくださいよ」







赤葦が不自然に口角を上げてる。


なに、その寂しそうな顔…。


謝らなきゃ。







「あか、」

「木兎さんの前でだけ、コロコロ表情を変える貴方を見ていると、無性に意地悪くしたくなる。俺も、こんな自分嫌でしたよ。でも、俺の前でもそんな風にしてほしいって思ってしまったんです。少し木兎さんを独占すれば、貴方は表情を変える。木兎さんが戻れば笑う。…バカバカしいって、笑いますよね。先輩の彼女なのに」






赤葦が伏し目がちに笑う。


そうして私のほうに歩いてきて、







「いだっ!」






ギュッと私の鼻をつまむ。







「俺の前でもう泣かないでください。慰めてもらうなら木兎さんにして」






私は目を見開いて赤葦を見る。


なんか、だんだん話逸れてない…?






「まだわからないんですか?俺、Aさんのことが好きだって言ってるんです」






目から潤いが消えていく気がする。


なに、これ。


今まで私と木兎の邪魔をしていると思っていた赤葦が、私を、好き…?


ショート寸前の私に赤葦が「フハッ」と吹き出す。






「別に、返事が欲しいとは思っていません」





キーンコーン―――


タイミングを見計らったかのように、チャイムが校内に鳴り響く。


学校内にいる全員を縛り付ける重たい音。


私は何も言えないまま、赤葦は歩いて行ってしまった。








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設定キーワード:ハイキュー , 木兎光太郎 , 梟谷   
作品ジャンル:恋愛
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c.f(プロフ) - 番外編読みました。私のツボを抑えておられますね…最高です。そして実は短編集とかもいける口では…?と思ってしまうほど纏まった内容でドキドキが止まりませんでした!また更新楽しみにしてます! (10月4日 21時) (レス) id: 05c431cb99 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 通知がきて飛んで来ました!やっぱり木兎さんの書き方上手ですね。強引な感じも好きです。そして作者さんも好きです。これからも楽しみにしてるので更新頑張ってください!!! (10月3日 18時) (レス) id: 1247715456 (このIDを非表示/違反報告)
らる(プロフ) - 私は木兎さんがすごく好きで、今まで読んだ木兎さんの作品の中で一番木兎さんを素敵に表現されていると思いました!小鈴さんの他の作品も読んでみたいと思います!他の方の便乗になりますが、私も続編が気になりました。大人になった木兎さんなんか見てみたいです! (9月23日 20時) (レス) id: f53a32185c (このIDを非表示/違反報告)
北山 - 小鈴さん!私もこの作品の続編希望です!小鈴さんの甘々木兎さんと夢主ちゃんが見たいです! (9月23日 9時) (レス) id: 05c431cb99 (このIDを非表示/違反報告)
すいか(プロフ) - 誤字です、小鈴さんでした、ほんとにごめんなさい (9月21日 11時) (レス) id: 2af2bdbcf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小鈴 | 作成日時:2019年7月30日 20時

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