邪魔者 ページ37
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この日は、いろいろと頭が追い付かない一日となる。
「最近木兎さん、変なんですけど何か心当たりあります？」
廊下ですれ違った時に赤葦に呼び止められたこの一言に、私は足を止めた。
「え？いつも通りだと思うけど」
「そうですか」
「なに、私が何かしたって言いたいの？」
この日の私はイライラしていた、んだと思う。
「いえ、プレー自体は普通なんですが、練習に身が入っていないというか。木兎さんがあんな風になるの、Aさんに避けられていたとき以来なので」
赤葦が言っているのは、きっと去年の話だ。
「大会が近いことを理由に、必要以上に距離をとったりとか、していませんか？」
「…してない」
「本当ですか？」
「あ、赤葦には、関係ない…！」
怒鳴った私に、赤葦が目を丸くする。
赤葦と話していると、自分を見透かされているような気になる。
「赤葦、意味わかんないよ」
木兎を捜しに教室に来た時に【木兎の邪魔をするな】と忠告したすぐ後の球技大会では、下級生の海から私を助けてくれた。
木兎と私の間に入ってきては理由をつけて木兎を拉致して、仏頂面の私を見ては馬鹿にしたように笑ったり。
その割には木兎を捜している私に、木兎のいる正確な場所を教えてくれたり。
私が放課後の体育館を覗けば、真っ先に気づいて木兎を呼んでくれるのも赤葦だ。
「赤葦、何考えているのかわからない」
自分の中で何かが爆発したみたい。
ただの八つ当たりに過ぎないのに。
でも、わからないのは本当だ。
私と木兎の間を邪魔しようとしているのか、そうじゃないのか。
「…」
「…」
木兎も赤葦も、バレーが大切なのはわかる。わかっている。
だからこそ、バレーに集中させてあげたいからこそ、私は木兎の邪魔をしないようにと彼をそっとしていた。
それを見透かされて、意地になった。
三年の木兎にとっても、高校バレーは春高が最後だ。
赤葦にとっても、高校で木兎とバレーをできるのはこれが最後。
春高予選は、もうすぐそこ。今追が追い込みの期間。
「それが木兎さんのためだと思っているのなら、逆効果です」
「赤葦に何がわかるの！」
「少しでも、そばで支えてあげてください。近くで木兎さんを見てあげてください」
そう言って頭を下げた赤葦は、私は横切る。
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アニメしか勝たんっ！！ - やっぱり、木兎さんはかっこいい...！ すっごくキュンキュンしました！ それと、赤あしの片思い... 素敵な作品ありがとうございました！！ (2021年9月6日 19時) (
レス) id: a9d6af11eb (このIDを非表示/違反報告)
しきし(プロフ) - 木兎が好きで色々な木兎作品を読みますが、結局小鈴さんのこの作品に戻ってきてしまいます、何度読んでも好きです！！ (2020年8月21日 20時) (レス) id: 46b82dd2cd (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン♪@アップルパイも捨てがたい(プロフ) - 尊い。私ごときの語彙力じゃ表せないです。なんか、もう、尊い。 (2019年11月24日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
c.f(プロフ) - 番外編読みました。私のツボを抑えておられますね…最高です。そして実は短編集とかもいける口では…？と思ってしまうほど纏まった内容でドキドキが止まりませんでした！また更新楽しみにしてます！ (2019年10月4日 21時) (レス) id: 05c431cb99 (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - 通知がきて飛んで来ました！やっぱり木兎さんの書き方上手ですね。強引な感じも好きです。そして作者さんも好きです。これからも楽しみにしてるので更新頑張ってください！！！ (2019年10月3日 18時) (レス) id: 1247715456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小鈴
| 作成日時：2019年7月30日 20時
