【A3!】籠の鳥【男主】 (ページ11)

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翼を。08 ページ11

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「終わったッス～！！」

「うるさい」

　バッ、と勢いよく天井に伸ばされた手と解放感がこみ上げてきて緩んだ表情から、仕事が終わりを告げたことを確認できた。

　此方も、今彼等が作業していたものを除けば全て整理し終わり、バラバラだった個々に纏まりができていた。

「……この時間なら稽古中か。太一、衣装持って」

「はいッス！媛羅木サンは？」

「兄貴はいいから」

　きょとん、と此方を見つめる不思議そうな顔をした彼に、思わず苦笑い。

　まぁ確かに不思議だよな、普通は。

　普通なら衣装を持っていって、感謝されて、それでやっと仕事が終わって気が休まるというものだ。

　だが、僕は例外。

「俺はそろそろ帰るよ、後はよろしく」

「次いつ会える？」

「次、か……」

　そう問われて頭の中でスケジュール張を捲っていき、白紙の頁に目星をつける。

　その中でも次の日等予定が厳しい日を除外していく。

「3週間後なら空いてる」

「詳しいこと後で教えて」

「わかった、送っとく」

　それとお菓子作ってきたから皆で食べて、と持参した紙袋を渡してから、寮の外へと足を動かした。

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