セカンドプロローグ ２−�� ページ13
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自分はポッター達に良い印象を残せたので及第点だろう。四年次の例──親友であるポッターに一方的に怒って半年くらい口を聞かなかった──を鑑みて諦めていたので、ウィーズリーにはっきりと拒絶されなかったことは意外な収穫だったし、誤算とも言える。
シャルルは彼らと仲良しこよしするつもりはなかった。さっきだって、その場限りの友好が組分けで儚く消えるのは見え透いているから大胆に行動してみたのだ。一番重要なドラコとポッターの二人が仲良くなるには相当な苦労がない限り難しいに違いないので、そこについては心配していなかったが、まさか“アンリ”の自分が思いの外受け入れられるとは思いもしない。原作のようになるのは“アンリ”の立場的に御免だが、“シャルル”は別だ。シャルルは能内の計画をやや修正する。
鼠一匹に怯えて帰った三人の待つコンパートメントはさながら贔屓のクィディッチチームが初戦敗退したようなムードだった。要するに全員がナイーブになっていたのである。グレンジャーの言葉を疑ってしまうほどシャルルに素っ気ないドラコを宥め、押し合いへし合いしながら汽車を降りた。夜特有の冴え冴えとした冷たい空気が肌を撫でる。
「マフラー貸そうか」
「いらない。それより暗すぎないか、ここ」
頭(かぶり)を振って分厚いマフラーを首に巻く。ルーモスを唱えようか迷っていると、小さな暗いプラットホームを揺らめくランプが朧げに照らし、遠くから怒鳴るような大声が聞こえた。ハグリッドだろう。ドラコの機嫌は最底辺である。
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作者名：砂な | 作成日時：2023年3月25日 23時
