悪い噂 (ページ32)

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ある日のこと、また北斗の部屋で集まりがあるらしく
樹くんに誘われて参加することになった

次の日は休みだからってみんなお酒を飲みまくっていて、バイトがあった私は遅れて行くことになっていたから部屋に入ると場違い感が否めなかった

『おじゃま、しまーす』

「んぁ！Aちゃーん！！久しぶりだねえ」

結構飲んだのか、樹くんの顔は赤くて呂律も上手く
回っていない様だった

『樹くん、久しぶり。飲みすぎだよ』

「んは、ぜぇんぜん大丈夫」

「大丈夫じゃねえだろ、お前は水飲め」

『あ、北斗』

「貴方遅すぎる、介抱疲れたんだけど」

『私は介抱役として来てませんけど？』

「いいから黙ってください」

イラッとして北斗にパンチをすると大袈裟に

「いってぇー！」

なんて言うから腹が立つ

でも、そんな光景を見ていた樹くんが

「Aちゃんって北斗と仲良いねえ。

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嫉妬しちゃうくらいに」

って

片方の口角だけ上げて言うから心臓がドキってする

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「Aちゃんは俺のこと好きなんでしょ？
じゃあ、俺以外の男と俺の前で仲良くしちゃだぁめ」

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酔いからだって、分かってるけど
そんなこと言われたら誰だって嬉しいし、勘違いする

腰に回った樹くんの手に全部の神経が集中して
上手く頭が回らない

「はいはい」って北斗が呆れてどこかに行くから
行かないで、って思いを込めて腕を掴もうとするけど
その手は呆気なく樹くんに捕まって

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「俺より北斗がいいの？」

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なんて、心臓に悪いよ