パパ活

10 (まふまふさいど） ページ10

(まふまふさいど)




週の終わりの金曜日。まだまだ外は冬のようで、Aちゃんは少し震えながら僕の家を訪ねてきてくれた。





『まふくんの家はあったかいね』





そう口にしながら、コップを両手で掴んで飲む彼女の横に座ると、視線が自然と合う。
普段人の目を見て話すことが苦手な僕でも、彼女だけは別だ。

そして今日も、いつものように僕の話に相槌を打ってくれたり、笑顔を見せたりしてくれる。




そんな時だった。
それでね、と言いかけた僕の言葉を遮って、着信音が鳴る。

僕からだった。

誰？と思いながら画面を見ると、僕の社員さんから。





急ぎの用なのかなと思って、Aちゃんに「ごめん、出てくる」と言い残した後。一旦リビングを出た後、廊下で電話の応答ボタンを押した。


普段よりもちょっと不機嫌な声で出ると、相手は少し驚いたような声で、僕に要件を伝えてくれた。





聞く限りそんなに急ぐことでもない話で、とりあえず分かった、とだけ言っておく。

そして、もういいかなと思って少し強引に電話を切ってしまった。何か言いかけてたけど、また後で電話して聞けばいい｡




結構電話に時間がかかってしまったように思って、急いで彼女の元へと廊下を後にした。

ごめんね、と謝れば大丈夫！と笑顔で返事をしてくれる彼女は、やっぱり優しい人だ。





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