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A「ようやく当たった…!」
狙撃銃の練習をしてからようやく狙って的に当たるようになり、私は喜びのため息を吐く。
狙って真ん中を撃つのははまだ難しいが、的にすら当たらなかった使い始めよりはずっと良くなっていた。
風間「随分と当たるようになったな」
A「真ん中当たらないし、まだまだですけどね…」
風間「だが、狙撃は少しでもずれれば当たらないんだろう?練習あってこその賜物だ」
A「…ありがとうございます」
謙遜するも、しっかり褒めてくれる風間さん。
私が休憩がてらに彼の練習をよく見るのもあってか、彼も私の練習を見るのが最近のお決まりになっていた。
風間「…ところで、お前は弧月を使わないのか?」
A「しっくりこなくて…それに、私は『風刃』が使いたいんです」
風間「『風刃』…?ああ、迅が人型近界民と戦っていたときのか」
A「そうです、使い勝手は弧月寄りですが…性能面では狙撃銃よりらしくて…」
風間「迅でも当てるのが難しいと言っていたな…だが、あまりに使い勝手が違いすぎるんじゃないか?」
A「なんですけど…迅に当てる技術は磨かないと当たらないからって勧められまして…」
風間「迅に…?」
弧月を使わないことを疑問に思っていたのか、そのことについて指摘を受ける。
しかし、私の話を聞いて、何か考えるように黙り込む。
風間「…そうか、話はわかった。だが、俺は弧月も使えるようになっておくべきだと思う。基本武器なら尚更、使えておいて損はないはずだ」
A「それは…、そうなんですが……」
風間「聞き方を変える、前回のように近界民が攻めてきたとき、お前はどうやって人を守るんだ?」
A「…!」
最近、私の中で悩んでいた課題を風間さんから突きつけられ、息が止まる。
A「…それは…、死角から敵を撃って…」
風間「教えのいないその武器で、実際の現場の動きもわからないのにか?現実的じゃないな」
A「………」
風間「仮にそれができたとして、お前は撃てるのか?」
A「その時は撃ちます」
風間「先日のような人型近界民でもか?」
A「……、はい」
覚悟を問うように、彼の鋭い目が私に突き刺さる。
でも、迷えば人が死ぬということは、私はよく知っている。
風間「…なら、試しに俺を撃ってみろ」
A「………、え…?」
*
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氷水(プロフ) - 海百合クラゲさん» はじめまして、嬉しいコメントありがとうございます!こういうの…っていったら難しいですが…こういう感じの夢小説少なかったのと、あまり推しを書いてる方がいなかったので書き始めました(笑)気が向いたときに見てやってください〜 (2022年8月2日 22時) (レス) id: b2d8d7cb3b (このIDを非表示/違反報告)
海百合クラゲ(プロフ) - えー好き。こういうの待ってたわ。ありがたやありがたや〜。 (2022年8月2日 21時) (レス) @page23 id: a38a157b30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷水 | 作成日時:2022年6月27日 5時