犬と子供 ページ7
散策が終わり、神田と合流すると、家の中から小さな子供が現れた。
「……お姉ちゃんたち、だれ?」
『(子供…?)こんにちは、僕。お姉ちゃんたち探しものがあって、ここまで来たの。』
「探しもの…………これのこと?」
そう少年が言うと、膨らんでいたポケットの中から淡く光る緑色を取り出した。
「『!!』」
「……これはあげられないよ。預かってるんだ」
『だ、誰に預けられたの?僕は何ともない?』
影響を受けていないなら、適合者である可能性がたかい。適合者ならすぐさま保護して教団に直帰だ。
「……、…おじちゃんに、もらったんだ。僕は何ともないよ。どうして?」
『そう、よかった。それなら、お姉ちゃんたちが安全なところまで連れていくから、一緒に行こう。お母さんは?』
なんて話しかけながら子供に背を向けた瞬間、耳をつんざくような騒音が辺りに鳴り響いた。同時に、ふわっと暖かい何かに包まれる感触がした。
『………、…、っは、生きてる…?』
「油断するな。アイツは……
ブローカーだ!!」
振り返ると、先程の少年の真後ろに、2体のAKUMAが佇んでいた。それは、まるで少年を守っているようにも見えた。
ーーーーーー
Aと二手に別れて家を散策していた神田は、家の扉に手をかけた。中は外見通りのボロで、生活感のある空間が広がっている。そんな
中、神田はガス代の上に置いてある鍋に目を向けた。中を除くと、作りかけのようだった。
「……料理?」
確実に生きている人間がいる。そう確信した神田は、再び調査を続けた。次に目をつけたのは、くたびれたベッドのサイドテーブルだった。そこには、無表情な男と、小さな子供が笑顔で写っている写真が飾ってあった。
無表情な男には見覚えがあった。あの任務で斬ったAKUMAだ。このチグハグな2人の写真を、神田は(彼にしては)長い時間眺めていた。よく見ると男には無常髭が生えており、目も虚ろで薄気味悪い印象を与えた。
「(AKUMAが子供を育てた…?…いや、有り得ないだろう。)」
1度探索を終えた神田は、Aと合流するために家を後にした。
Aと合流した神田は、先程見つけたものを共有しようと口を開いた。その直後だ。少年が現れたのは。イノセンスを取りだした時は心臓が鷲掴まれた様な感覚を覚えたが、神田は、冷静に観察を続けた。
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neko - 続きめっさか気になります!!更新待ってます、いつまでも (2月20日 12時) (レス) @page7 id: d4178cfc98 (このIDを非表示/違反報告)
ozだぁ〜 - 神田ユウ様ァ〜!! (2021年5月4日 23時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年10月10日 8時) (レス) id: b085d94187 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LaLa | 作成日時:2019年8月17日 2時