第5話 接線 ページ30
冴草さん「あの頃は毎日がキラキラ輝いていたの。アイドルたちはみんな夢に向かって走って努力して、私たちはそんなアイドルを応援するのが一番の楽しみだったのよ」
冴草さんは夢見るように昔ばなしを始めた
A「今は人間のアイドルなんてほとんどいませんよね」
冴草さん「そうね、みんなエモに夢中だもの。別にエモが悪いとは思ってないのよ。ただ私にとっては、退屈でつまらないオモチャね・・・、本物のアイドルが、現実のステージで、本当に目の前に立っていて、歌ったり踊ったり・・・、その感動はこんな首輪には真似できないわ」
自分のネックフォンをつまんで肩をすくめてみせる冴草さんは
子供の私たちよりも表情豊かで、なんか楽しそう
冴草さん「私の母もアイカツのアイドルだったの。ドリームアカデミーの出身でねぇ。あそこも今は博物館になってしまったけれど・・・、昔は最新の設備が整っていて、母はプロデューサーコースで、在学中は自分のラボを持っていて・・・、」
あんず「母の姿を見て、アイカツ関係の仕事に？」
冴草さん「ええ、そうよ。その話だったわね」
また昔ばなしが始まりそうになったので、あんずちゃんが本題を切り出した
冴草さん「アイカツの終わりと同時に、私の会社にあったものも全て失われてしまったわ・・・、けれど、設計図は今でもはっきりと、私の頭の中に思い浮かべることができるの」
A「それじゃあ・・・！」
冴草さん「ええ、小さな小さなICカードでしたから。けれど、作るには部品が必要よ。その部品も、あんな古い種類のものはもうどこにもないでしょう」
私とあんずちゃんは顔を見合わせた
つまり、設計図はあるけど作るのは無理ってこと？
それじゃあ"ふりだしに戻る"だよ〜！
冴草さん「ねえ、あなたたち、本当にもう一度アイカツを？」
A「はい！もちろんです」
私たちの落胆した様子を見た冴草さんは、何かを決意したようにゆっくりと立ち上がった
冴草さん「ねえ、私にもう一度、学生証を作らせてもらえないかしら？」
あんず「えっ？」
冴草さん「当時と同じものは作れなくても・・・、同じ機能を持ったICカードをまた作ればいいのよ。今度は2116年の、最新の技術、最新の部品で」
A「できるんですか？」
冴草さんは両手でポーズを取って笑った
冴草さん「オケオケオッケー♪ってやつよ。きっと私はこの日のためにこんなに長生きしたんだわ」
手を取り合った私たちの間に、アツい夏の風が吹き抜けていった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリキャラ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かほ(プロフ) - きらるりさん» 本当ですか？！楽しみに待ってます！！ (2018年4月3日 8時) (
レス) id: c1e96e310d (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - かほさん» わーっ、こんな昔の作品にコメントありがとうございます！本当に嬉しいです！ちょうど続きを書いているのでもうしばらくお待ちください (2018年4月2日 23時) (レス) id: cabc9f41a5 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - すごく面白かったです！更新待ってます！！ (2018年4月2日 23時) (レス) id: c1e96e310d (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさんまだ見てますか？すごく経っちゃいましたけどあおいちゃん夢小説の連載を始めたのでよければコチラからどうぞ♪ http://uranai.nosv.org/u.php/novel/krrr_aikatsu11/ (2016年8月3日 23時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - ゆゆゆさん» 丁寧なコメントありがとうございます！その辺は意識して書いたので伝わって本当に嬉しいです！首輪は支配のシンボルとして書いているのですが、じゃあ誰が支配者なの？みたいな・・・、とにかく読み取っていただけて感動しました！本当にありがとうございました！ (2016年5月2日 17時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きらるり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/krrr_homepage/
作成日時：2016年3月20日 12時
