第16話 輪廻 ページ17
スミレ「マガトの鏡?」
店主「どうやら、呼び寄せられたのはあんたのほうみたいだな」
店主の女性は顔も上げずに、どこか面白がっているかのような口調で喋りはじめた
店主「輪廻をねじ曲げる禁忌のまじない・・・、かつて、永久(とわ)に同じ時を過ごしたいと願った二人が作り出したといわれる逸品だ」
スミレ「その人たちはどうなったんですか?」
店主「願いは叶い、二人は永遠に時のゆりかごの中へ・・・そして、鏡だけが残された」
私は吸い寄せられるようにマガトの鏡を手に取った
そして、扉を開けて鏡の面を見た
その瞬間・・・、
私の中に何かが流れ込んできた
すきま風のように冷たい感覚が、右手から首筋を通って、頭の中へ・・・、
スミレ「私は、私、の、願いは・・・、」
A「スミレちゃん?どうしたの?」
私の様子に気付いたAちゃんが私のそばへやってきた
ああ、そうだ、私の願いは・・・、
マガトの鏡が何をする道具なのか、
どうやって使うのか、
そして私がこれで何をすべきなのか・・・、
まるで初めから知っていたかのような感覚に襲われ、私の中に収まった
スミレ「わかったよ、Aちゃん。きっと私はこの鏡と出会うために、このお店に呼び寄せられたんだ」
A「えっなにそれ、すごい!」
そう、これは今の私に必要なものなんだ
輪廻を操り、永遠にAちゃんと一緒にいるために・・・、
スミレ「これ、いただきます」
店主「毎度あり・・・、あんたの願いが叶うことを祈ってるよ」
☆♪★♪☆♪★♪☆
A「マガト?の鏡?とか言ってたよね、何なのそれ?」
スミレ「フフッ、まあ見て」
帰りのバスの中で、私は買ったばかりのマガトの鏡を取り出した
一見模様の彫られた金属板にしかみえないけど、縁を指でなぞると扉のように開くことができた
中は三面鏡になっていて、古ぼけた外見に反して透き通るように綺麗だ
A「わあ、素敵・・・、これもおまじないの道具なの?」
スミレ「うん、今夜使い方を教えてあげるから、夜12時の少し前に広場の噴水の前に来てくれる?」
A「噴水?うん、わかった。わー楽しみ♡」
今日は新月、月のない夜・・・、
細い細い光の縁だけが空高くへと昇りはじめていた
儀式にはこれ以上ない日だ
私は今から起こることを考えて胸が踊った。
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きらるり(プロフ) - ゆゆゆさん» ゆゆゆさん!いつも嬉しいコメントをありがとうございます!!月の描き方はこだわりポイントなので気付いてくださって感激です(´▽`) ゆゆゆさんも熱中症に気を付けて頑張ってください☆ 読んでくださってありがとうございました!! (2018年8月18日 0時) (レス) id: cabc9f41a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - →気になりますがスミレちゃんが宵闇のコーデに操られているわけではなく自ら行動しているので主人公も受け入れたのかなと自分は思いました。近頃は暑い日が続きますがお身体に気をつけて頑張ってください。素敵な作品ありがとうございました。長文で申し訳ないです。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 361e2104ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - とても面白かったです。特にエピローグでの「今夜は月が満ちているの」というスミレちゃんの言葉を読んだ時すごくドキドキしました。マガトのまじないが満月の日に完成すると本文中にあったので。エピローグでのふたりの儀式は夢なのか現実なのか→ (2018年8月17日 22時) (レス) id: 361e2104ee (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - Twilight Win the Crownさん» ありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです (2016年1月25日 17時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
Twilight Win the Crown - すっごい面白かったです!! (2016年1月25日 15時) (レス) id: e0c7f304cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きらるり | 作成日時:2015年12月8日 19時