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35話。 ページ36

いつもは真っ先に私の意見を否定してきた自分も、この考えを否定する言葉を持ち合わせていないようだ。



「…僕、一番最初にAさんに声をかけてもらった時、すごく怖かったし、何されるんだろうって不安だった。でも、心のどこかでは嬉しかった」



「…うん」



「一人じゃ絶対に学校にも来れなかったし、家族とか、色んな人を悲しませたまま終わってたと思う。だから、ありがとう。…好きです」



「…告白をさりげなく混ぜないでよ…なんか、いつもの天宮くんじゃないみたい」



「今夜限りだよ…明日からはもう徹底的に黙ると思う」



「それはそれで悲しいからやめてね。…うん。天宮くん。」



「…はい」



「私も、好きです。」



「…っ、ほんと?」



「ほんとほんと。うふふ、もしかしたら私達ここのクラスの人よりも青春してるかもね。しかも告白が夜の教室なんて、ロマンチックだね」



「…そうだね。………月が綺麗です、ね?」



「私に聞かないで。…うん。すごく綺麗だね。…ほんと、死んでもいいわ。」



「やめてね。絶対に。」



私の青春のイメージは、桜とか、青々とした葉っぱの額縁の中で淡く、強かに輝く笑顔の写真だった。



でも、この静かで暗い空間でも、青春だと呼べるんだな。



「じゃあ、そろそろ帰ろうか」



「…うん。」







「また、いつもの時間に、迎えに行ってあげるよ」





午前9時45分、通学路の天宮くん。


Fin

あとがき。→←34話。



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るぅ(プロフ) - 小説見ても、最後のあとがき見ても泣きました!最高でした!これからも頑張ってください!全力で応援してます!! (2018年9月22日 22時) (レス) id: 44848c94a9 (このIDを非表示/違反報告)
しあ。(プロフ) - うはー、セイシュンすぎるー( ・ω・) (2018年7月20日 10時) (レス) id: 3344a8c17f (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち - なので周りの人に悩みが伝えられて『不登校』などでも自分で考えて選択できている人は私なんかより強い人だと思います。(実はリスカとかもしてしまっていて)こんなものをネットでしか出せない、しかもまとまりの無い自分語りでした。長文すいません (2018年7月11日 2時) (レス) id: 59a56879c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち - 私は小説とかで出てくる『何でも言える友達』という存在が羨ましいです仲のいい子はいるけどどこか信用できなくていつも八方美人してしまって学校から帰って暗くなってしまいますでも不登校になったりとか特別な教室での通学するほどの勇気すら持てません (2018年7月11日 1時) (レス) id: 59a56879c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち - 今回も素敵なお話でしたなんだか温かい気持ちになりました (2018年7月11日 1時) (レス) id: 59a56879c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:想伝 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年6月24日 13時

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