四話 ページ6
・
・
・
「えっと…
そのですね…」
僕がしどろもどろになっていると
「テツヤ？
私に隠し事？」
とどんどん
Aは
詰め寄ってきました。
「いや…えっと…」
「何？
もしかして私の悪口？」
「え？ち、違います！」
「慌てて否定するとこが
なんか怪しいな…」
「あ、慌ててないです
…と、とりあえず
一旦落ち着きましょう」
いえ
落ち着くのは僕の方ですね、はい。
どうもAのことになると
自分が自分でなくなるというか…。
もはや自分の頭の処理能力が追いつかずに
目を泳がすしかなくなった僕を見かねてか
「えっとッスね…」
“ごほん”
と黄瀬君が一つ咳払いしました。
そして
「それは
俺が
『Aっち字が上手いッスね！
俺でも真似できるかな？』
って黒子っちに言ったら
『簡単に言わないでください』
って。
で、あの後
結局何を言おうとしてたんッスか？」
と爽やかスマイルでウインクをしてきました。
「え、えっと…」
と言って瞬間
僕の頭はフル回転。
「…だって、Aは
昔から書道を習ってたから
あの字が書けるわけで
黄瀬くんなんかがかけるわけがありません…と」
「あれ？
俺なんか若干けなされてない？」
半泣きの黄瀬君。
助け船を出してくれたのはありがたいですが
元はといえば黄瀬君が…
っていうか
この話の原因を作ったのって
黄瀬くんじゃないですか？
と心の中で非難の矛先を黄瀬くんに向けると
「そうなの？
褒めてくれてたのね
な〜んだ」
とはにかむA。
それを見て
僕は自分の頬が緩むのが
わかりました。
そして
僕はかねてから
ずっと心の中に
秘めている思いを考えました。
けれど、それは到底、叶わない願いですけれども。
「どうしたの？
難しい顔して？」
「いい加減、泣き真似をしている
黄瀬くんが面倒だな…と」
「俺、マジで泣くッスよ！」
「結構、テツヤって黄瀬くんに酷いよね」
「Aっち
笑いながら同情されても嬉しくないっすよ」
「まぁ、
黄瀬くんは、そういうキャラだからね」
「…酷いッス」
そういって拗ねる黄瀬くんを見ながら
くすくすと笑うAを見ながら
この笑顔を僕だけのものにしたいだなんて…。
・
・
けれど…それは叶いません。
・
・
だって、Aは…
・
恋に興味がないから
・
・
誰のものにもならないし…
・
・
僕のものになんてなるわけがない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 168人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うちわ(プロフ) - 桜さん» さてさて、いつでしょう？続編できたので、そちらもどうぞ！更新がんばりますね！！ (2015年2月16日 17時) (
レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 桜さん» さてさて、いつでしょう？続編できたので、そちらもどうぞ！更新がんばりますね！！ (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - りゃいむさん» 返信めっちゃ遅れてすみません＞＜お久しぶりです！！はい、頑張りましょう！！ありがとうございます！がんばります！！ (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - サラ男。さん» 黄瀬君の扱いが酷いのは愛ゆえだよね←最近、うちわ、黄瀬くん好き！ (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 恋雪ゐねこさん» 返信遅れてごめん＞＜それそれ！！っていうか三期始まったよね！！エンディングマジやばい// (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うちわ
| 作成日時：2014年2月24日 18時
