君は恋に興味なし、片想い決定≪黒子テツヤ≫

四十五話 ページ47

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綺麗で少し不思議な彼女の後姿が見えなくなり
“さ、帰りましょうか”
と促せば
“そうだね”
微笑むAと相合傘な状況で…。
いつもより距離が近くて心臓の鼓動がいつもより早い気がして…。



「不思議な人でしたね」

「そうだね」


心臓の音がAに聞こえないように話を振って注意をそらすのが精一杯。


「不思議といえば、おは朝！
緑間君以外に信じる人いたんだね」

「そうですね
そのおかげで僕たちが助かりました」

「私も今度おは朝見てみようかな」

「緑間君みたいに信仰はしないでくださいね」

「どうしようかな〜？」

「え？」

「冗談だよ、冗談」

「Aがいうと冗談には聞こえません」


そういった僕に対してクスクスと笑うAが


「…こうやって一緒にいるとカップルに見られるのかな？」


ふと僕を見ました。


「え？」


さっき彼女に言われたことが気になってるのでしょうか？


「テツヤにとって私は幼馴染なのに
そんなこと言われたら嫌でしょ？」


気のせいでしょうか？
少し悲しげに見えるのは…。


「…僕は気にしません」


そんなの気にする必要なんてないのに…。
僕はAをただの幼馴染だとは思ってないです。
それに…



「僕はむしろ…」

「え？」


僕はむしろ、嬉しいです、なんていう気持ちを
キミに伝えてもキミは困るだけだから
心の底にそっと押し込めて


「…いえ、なんでもありません」


僕は、精一杯の笑顔で君に答えるだけです。


だから、せめて


「そういえば、あの人の名前聞きそびれちゃいました」

「…もしかして、白純Aさんじゃない？
傘の柄に書いてる
名前が一緒だ！次会ったときゆっくり話したいな！」

「あぁ、そうかもしれませんね
そうですね、仲良くなれそうな気がします」

「そういえば、白純さんって、赤が好きなのかな？
柄も入ってない真っ赤な傘って白純さんの組み合わせって意外だよね」

「どうなんでしょうか？でも、もう一本の傘も真っ赤でしたよね？」

「なんか、この色赤司君の髪の色みたいだね」

「確かに。でもこの色結構目立ちますね」

「そうだね」

「でも、こんなこといってると“俺が、目立つとでもいってるのか？”って赤司君に怒られそうですね」

「赤司君って怒ると怖そう…」

「怖いですよ。
だから、その赤司君に明日の合宿遅刻して本当に怒られないように
今日はまっすぐ家に帰りましょうか」

「は〜い！」


キミの隣にいることは許してください。

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