四十話 ページ42
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「しっかし、結構荷物あるね」
「…そうですね」
放課後。
本来なら部活動の時間。
僕とAは特別に買い出しのために校外に出ているわけで…。
僕は両手に袋を引き下げてAは右手に袋を握っています。
黄瀬君の言うとおり部活動に言ってみるとコーチから
Aと僕は買い出しに行くように頼まれ、今に至るわけで…。
「それにしても、合宿前日なのに、黄瀬君と青峰君補習とか大変そうだね」
「…まぁ、自業自得ですよ」
要するにそういうことで…。
まぁ、これは確かに、黄瀬君本来の意図に気が付きようがないですよね。
いや、まぁ、結果としてよかったんですから黄瀬君に感謝ですけど…。
でも、それを直接言うのはなんだか悔しいので心の中にとどめておきますが…。
「テツヤって、黄瀬君と青峰君にシビアだよね」
「そうですか?」
「まさかの無自覚!?」
小学校のころは、学校だけじゃなく土日もよくAに連れまわされ
二人であちこちにいった覚えがあります。
けど、中学校になって家は正反対の方角にあり
さらには僕は平日は遅くまでバスケ。
土日も部活三昧で、部活がない日もなんとなくAを遊びに誘うのはなんだか気が引けて…。
別に遊んでいるわけではないんですが、こうやって他愛もない会話をしながら町を歩くのは本当に久しぶりです。
なんて、思っていたら
「…テツヤ?」
「…!?」
少し動けば触れそうな距離にAの怪訝そうな顔。
「…え?」
思わず思考停止。
すると、Aは、首を傾げながら離れていくわけで…。
「…すみません、ちょっと明日のことを考えていました」
そして咄嗟についた嘘。
「あぁ、なるほど」
素直なキミは疑いません。
“あの日”から僕は自分の気持ちを誤魔化すたびに
Aに嘘をついている気がします。
そんなことを知らないAは
「明日の合宿本当楽しみだな〜」
嬉しそうに僕を見ます。
「そうですね」
嬉しそうなAを見て
「Aが楽しみなら、僕も楽しみです」
つい漏れた僕の気持ち。
「へ?なんで?」
きょとんとするAの声なんか聞こえないふりして
「…さて、そろそろ帰りましょうか?
あまり遅くなると赤司君に“何をしてたんだ?”ってお叱りを受けてしまいます」
「そうだね」
何事もなかったかのように僕はわずかに歩調を早めました。
つい漏れてしまった気持ちを隠すように。
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うちわ(プロフ) - 桜さん» さてさて、いつでしょう?続編できたので、そちらもどうぞ!更新がんばりますね!! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 桜さん» さてさて、いつでしょう?続編できたので、そちらもどうぞ!更新がんばりますね!! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - りゃいむさん» 返信めっちゃ遅れてすみません><お久しぶりです!!はい、頑張りましょう!!ありがとうございます!がんばります!! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - サラ男。さん» 黄瀬君の扱いが酷いのは愛ゆえだよね←最近、うちわ、黄瀬くん好き! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 恋雪ゐねこさん» 返信遅れてごめん><それそれ!!っていうか三期始まったよね!!エンディングマジやばい// (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うちわ | 作成日時:2014年2月24日 18時