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三十八話 ページ40









「…っ…」



手から放ったボールがバコっという音を立てながら
リングがボールをはじいて
開け放った体育館のドアから朝の風を感じながら
“はぁ〜”と小さく溜息。
リングのの下には無造作に転がったバスケットボール。
心地の良い風と今の僕の気持ちがミスマッチで…。
赤司君と別れて、体育館で自主練を始めたのはいいけれど
放てど放てど



「はぁ…入りませんね…」



リングの中に入ってくれません。
パス回しが自分の役割だとはいえ
すこしでもみんなの役に立ちたくて練習しているのに
なかなかうまくいきませんね。
そんなことを思って
“はぁ…”と小さくため息をつけば



「ため息ついてたら幸せ逃げるよ」



“クスリ”と小さく笑いながら
後ろからそんな言葉が投げかけられ
持っていたボールが手からするりと落として
トントンとバスケットボールが床にたたきながら
目の前に転がっていって
“テツヤ、おはよう”
と微笑んで僕が落としたバスケットボールを拾ったのは“彼女”。



「…A
なんで、ここに…」



なぜ、Aが体育館に居て
こんな早い時間にいるのか
そしていつからいたのか
疑問に思うことが多くて僕は目をしばたかせました。
対するAは
“今朝委員会があって、さっき終わって
教室に行こうとしたら赤司君に会って
テツヤが体育館で練習してるって聞いたから”
さらりと言いました。
そして、どこか悪戯っぽく笑って一言。



「テツヤ集中してたもんね
5分くらい前に来たんだけど」

「…え?」



そして僕の思考は数秒停止。



「えへへ、びっくりした?」



無邪気に笑うAに
“はい、かなりびっくりしました”
つられて僕の頬も緩むわけで。



「あ、やっと笑った」



ぱぁっと明るく笑うAに



「え?」



と首をかしげてみせると



「ほら、ため息をついたら幸せ逃げちゃうからさ」



そんなことをいいました。
少し考え、先ほどの会話を思い出し



「大丈夫ですよ
たぶん、もうため息はつきませんから」



僕は口元をわずかにゆるめて一言。



「なら、いいけど!」



嬉しそうに笑うキミに
キミといるからなんですよ
なんていったら君はどう思いますか?
キミもだといってくれるなら
僕はどれほどうれしいでしょうか。



「もう少し、練習したいと思っているんですけど
付き合ってくれますか?」

「もちろん」

「ありがとうございます」



そんなことを考えたり…。

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設定タグ:黒子のバスケ , 黒子テツヤ , 帝光中   
作品ジャンル:恋愛
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うちわ(プロフ) - 桜さん» さてさて、いつでしょう?続編できたので、そちらもどうぞ!更新がんばりますね!! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 桜さん» さてさて、いつでしょう?続編できたので、そちらもどうぞ!更新がんばりますね!! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - りゃいむさん» 返信めっちゃ遅れてすみません><お久しぶりです!!はい、頑張りましょう!!ありがとうございます!がんばります!! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - サラ男。さん» 黄瀬君の扱いが酷いのは愛ゆえだよね←最近、うちわ、黄瀬くん好き! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 恋雪ゐねこさん» 返信遅れてごめん><それそれ!!っていうか三期始まったよね!!エンディングマジやばい// (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うちわ | 作成日時:2014年2月24日 18時

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