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三十五話 ページ37













「…はぁ」



Aを送り届けた次の日の三限目の時間。
科目は、数学。
特段得意というわけでも苦手というほどでもない教科。
先生が、ここは、比の応用でうんぬんといっていますが、正直頭に入ってきません。
それもそのはずで、先ほどお弁当を食べたばかりで、ぼーとしています。
しかも、僕の今の席は日当たりのいい窓際。
おまけに、一番後ろの席で、僕の前には、僕よりも大柄な男子学生。
これで、眠くならないわけがないじゃないですか?



「…はぁ」



それでもなんとか、あくびを噛みしめ、気を紛らわすために、窓の外を見るとほかのクラスの人が、ソフトボールをしている光景が目に入るわけで…。



「…ん?」



そこに見知ったメンバーを発見して僕は思わず笑ってしまいます。
体格のいい長身の男子学生が二人。
一人は青色の髪に褐色の肌を持つ僕の相棒。
もう一人は緑の髪にめがねが特徴の実は僕が少し苦手にしているチームメイト。
前者は青峰君と後者は緑間君。
そして、その目の前にもう一人。
後姿だけでわかります。
少し伸びた黒髪を束ね凛として彼らの目の前のベンチに座っているのは、僕の幼馴染。
どうやらAのクラスは、男女混合でソフトボールをしているようで…。



「…何を話しているんでしょうか?」



どうやら青峰君が何やらいい、緑間君がそれに呆れたように何かをいい、二人のやりとりにAが楽しそうに笑っているようで…。
なんだか、面白くないです。



「…はぁ」



我ながら醜い嫉妬心に嫌気がさして、小さくため息をついて再び窓の外を見れば



「……!?」



Aがこちらを見ていて、一瞬目が合ったような気がして



「……」



小さく首を傾げて微笑めば
こちらを見て笑って、小さく手を振ってきました。
そして、次の瞬間には、再び後姿しか見えなくなっていて…。



「…まったく、僕の気も知らないで…」



誰にも聞こえないように呟いて、僕は小さく溜息。



先ほどの眠気が嘘のようで…。



「どうした?黒子?顔が赤いぞ?熱でもあるのか?」



普段寝ていても気づかれない先生にこういわれる始末。



僕は、赤くなってにやついてしまった頬をかくすように



「…大丈夫です」



教科書で顔の前に立てて、小さく肩をすぼめました。











全く、視線が合っただけで、こんなにも動揺しているなんて…。











我ながら呆れてしまいます。

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設定タグ:黒子のバスケ , 黒子テツヤ , 帝光中   
作品ジャンル:恋愛
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うちわ(プロフ) - 桜さん» さてさて、いつでしょう?続編できたので、そちらもどうぞ!更新がんばりますね!! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 桜さん» さてさて、いつでしょう?続編できたので、そちらもどうぞ!更新がんばりますね!! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - りゃいむさん» 返信めっちゃ遅れてすみません><お久しぶりです!!はい、頑張りましょう!!ありがとうございます!がんばります!! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - サラ男。さん» 黄瀬君の扱いが酷いのは愛ゆえだよね←最近、うちわ、黄瀬くん好き! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 恋雪ゐねこさん» 返信遅れてごめん><それそれ!!っていうか三期始まったよね!!エンディングマジやばい// (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うちわ | 作成日時:2014年2月24日 18時

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