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三十二話 ページ34














「え!?これ、Aっちお手製のレモンのはちみつ漬けッスか!?
桃っちが作ったやつじゃないんッスね!」

「ちょっと、それどういう意味?」



その日の放課後。
桃井さんが部室の冷蔵庫から取り出してきたのは
昼間Aが言っていたレモンのはちみつなわけで…。
“みんな〜、休憩だよ〜”
という桃井さんの掛け声とともに休憩タイムに入ったら
虹村キャプテンが桃井さんが持っているタッパーを見て
“桃井が持ってるそれって…”
ひきつった笑顔とともに尋ねて
“はい、Aちゃんの差し入れです
委員会が終わったら寄るそうですよ”
そんな会話がなされ、今に至るわけで…。



「うわぁ〜、マジこれ疲労回復するッスわ!」

「このレモンのはちみつ漬けは人事を尽くしているのだよ」

「何、緑間意味わかんないこと言ってんだ?」

「ちょっと〜、峰ちん、独り占めしないでよ〜」



キセキの世代が奪い合うように
Aが作ったレモンのはちみつ漬けを食べています。



「お前らがっつきすぎだ!
俺たちにも寄越せ!!」



先ほど桃井さんのデンジャラス料理だと勘違いして
ひきつった表情を浮かべた虹村さんですらこの始末。
よほど、この前の差し入れの味を気に入ったのでしょう。



キセキの世代と一緒にどんどん中身を減らしていっています。
そしてその輪に入らず、キセキの世代が食べている様子を眺めているのが
僕を除いてもう一人。



「お前は食べないのか?」

「…いえ、ちょっと、あの中に混じるのは」



真紅の双眼で彼らを見つめるキセキの世代のキャプテン。
“その気持ちはわからないでもないな”
とそういって彼は苦笑しました。
たぶん、あの中に入るのは想像以上に体力とか諸々消費されそうです。
そんな様子をみていると



「あれだけ、騒いで食べる元気があるんだ
今日の残りの練習はいつもの4倍のメニューで良さそうだね」



そして続けてこんな言葉を紡ぎました。
あれ?ちょっと待ってください。
今恐ろしい言葉が聞こえた気が…。
いつもの4倍のメニューとかなんとか。



「…えっと、それって僕もですか?」

「黒子も4倍メニューしてみるかい?」

「…そういっていただけるのは光栄です
丁重にお断りさせていただきます」

「そうか、残念だね」



そういってどこか楽しげに今から4倍メニューを命ぜられるであろうメンバーを見る赤司君を見ながら
“ご愁傷様です”
と心の中でカラフルな彼らを見てつぶやきました。

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設定タグ:黒子のバスケ , 黒子テツヤ , 帝光中   
作品ジャンル:恋愛
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うちわ(プロフ) - 桜さん» さてさて、いつでしょう?続編できたので、そちらもどうぞ!更新がんばりますね!! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 桜さん» さてさて、いつでしょう?続編できたので、そちらもどうぞ!更新がんばりますね!! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - りゃいむさん» 返信めっちゃ遅れてすみません><お久しぶりです!!はい、頑張りましょう!!ありがとうございます!がんばります!! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - サラ男。さん» 黄瀬君の扱いが酷いのは愛ゆえだよね←最近、うちわ、黄瀬くん好き! (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 恋雪ゐねこさん» 返信遅れてごめん><それそれ!!っていうか三期始まったよね!!エンディングマジやばい// (2015年2月16日 17時) (レス) id: 678928963e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うちわ | 作成日時:2014年2月24日 18時

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