君は恋に興味なし、片想い決定≪黒子テツヤ≫

十五話 ページ17

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「今日は色々疲れました…」



僕がそう小さくつぶやいた時には
もうすっかり日が落ちていて
暗闇が広がっていました。
おまけに、たぶん
僕たち以外残っている生徒がいないのではないかというほど
校舎は静かでした。
その校舎の校門付近に



「ごめんね、テツくん
私たちが、喧嘩してて…
青峰君が素直じゃないから」

「おい！」


申し訳なさそうに謝る桃井さんと
それに突っ込む青峰君、



「喧嘩の内容がくだらなすぎるのだよ」

「まぁまぁ」



呆れたようにいう緑間君と
それをたなしめる黄瀬君という
よくわからない構図が出来上がりました。



「いえ、僕は気にしてませんが…
今日はちょっと、練習もハードだったので…」



僕がやんわりそういうと
“テツくん、紳士すぎる！”
と桃井さんが目を輝かせます。
あまつさえ



「ほら、青峰君もテツくん見習って！
こういうのが紳士っていうんだよ！」

「いてっ！」



“キャー”
といいながら青峰君の背中をバシバシ叩いて
青峰君が痛がっていました。
その様子を黙ってみながら



「僕のどこが紳士なんですか？」



と傍らに立っていた黄瀬くんに尋ねました。



「あれ？無自覚ッスか…！？
黒子っちらしいけど…」



そして、その黄瀬君に苦笑されてしましました。
わりと普通の受け答えをしたつもりなんですが…。
そんなことを考えていると



「あれ？テツヤ」



と聞きなれた声がして…。



「A…
どうしたんですか？
こんな時間に…？」



振り返ってみれば
そこに立っていたのは君なわけで…。



「ん〜、ちょっと図書館で本読んでたら
ウトウトしてそのまま寝ちゃったみたいで…」



小さく舌を出して
“失敗、失敗”
と言いながら近づいてくるA。
ちょっとその顔は反則です。
心臓がドキドキしていてうるさいです。



「このメンツを見るからに
部活帰りかな？テツヤは！」



そしてAは僕の目の前に来ると
ぐいっと僕の顔を見上げました。



「……」



しかも、無自覚な分だけ質が悪いです。
どれだけ、心拍数が上がったと思ってるんですか？
そんな僕の葛藤なんかAが知るわけでもなく



「テツヤ？」



すぐ近くでAが首を傾げています。
けれど、それを悟られないように
“そうですよ”
僕は平然と答えました。
ついでに



「ったああぁ！」



隣でニヤニヤしている黄瀬君が鬱陶しかったので
気づかれないように
横腹にチョップを決めておきました。

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