君は恋に興味なし、片想い決定≪黒子テツヤ≫

十四話 ページ16

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「……」

「どうなんだよ？」

「テツくん？」



僕が黙っていると
二人はぐいぐいと詰め寄ってきました。
内心黄瀬君と緑間君を恨みつつ
“…二人とも謝りましょう”
と僕はひとまず提案しました。



「なんでだよ？」

「私、悪くないでしょ？」



二人とも予想通りの反応を示しました。
そんな二人を交互に見ながら僕は一言。



「…どちらが悪いという質問なら
僕は二人とも悪いと答えます…」

「なんでだよ？」

「そうよ！私悪くないし！」

「んだと？」



そういって再び口論になりそうな二人に



「だって二人とも謝らないからです！」



ずばりと言い放ちました。



「二人とも意地を張りすぎです
本当は、お互い仲直りしたいんでしょ？」



僕が、そう構わず続けると
“…それは！”
と青峰君と桃井さんの声が重なって
お互い顔を見合わせました。



「そうだね…
私もつい言い過ぎちゃった…」



そして、先に口を開いたのは桃井さんです。



「俺も、言いすぎた…悪かった…」



ついで、そっぽを向きながら
口を開いたのは青峰くんでした。



「…それでいいんです」



謝りあう二人から
険悪な雰囲気がなくなるのを見ながら内心ホッとしました。



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きっとここまで
喧嘩が長引いたのは
お互い意地を張った結果なんでしょう。
だからきっかけさえあれば
仲直りすると思ったんです。



・



そんなことを思っていると



「黒子っちって
こういうのまとめるの上手いッスよね？」



そういいながら一件落着とばかりに
黄瀬くんがちゃっかり僕の隣に
いつの間にか立って
にこやかに僕を見下ろしていました。
そんな彼に



「…僕は黄瀬君が嫌いです」

「えっ！？」



僕はとりあえずそう告げました。



「では、そろそろ部室に戻って
着替えましょうか？緑間君」

「あぁ…」

「緑間っちも同罪じゃないッスか！」

「…俺は人事を尽くした」

「意味わからないッス！」



そんな会話をしながら
部室に戻る僕たちの少し後ろで



「…今日は、アイスおごってやるよ」

「…いいの？」

「…今日のお詫びだ」

「…青峰君がそんなこというなんて…」

「あ〜、もう奢らねぇ、絶対、奢らねぇ…」

「冗談だよ！冗談！」



そんな会話が聞こえました。
けど、さきほどまでの険悪な感じじゃありません。



・



本当言うと少し青峰君たちが羨ましいときがあります。
喧嘩をすることで深まる絆っていうものもあるのかな、とたまに思うんです。

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