＊スパティフィラム ページ5
シャオロン、コネシマにボコボコにされた鬱は談話室のソファに力なく転がっている。この元凶である二人は鬱に会いに来た女を今か今かと待ちわびていた。
そして、扉から三回ノックが聞こえる。
「入れ」
「失礼します！鬱大佐、お連れしました。こちらへどうぞ。」
一等兵が扉を開け、女をエスコートする。優雅にエスコートされ入ってきた女は、藍色の髪を綺麗にまとめ、蘇芳色のドレスを見に纏った…貴族であった。血色のよく見えるようほどよく化粧され、色づいた唇は艶っぽい。そんな女と鬱の目が合う。
「な、なんで…お前が…」
「うふふ、お久しぶりですね。"お兄様"」
誰が見ても美人の部類に入る女が上品に微笑む。
「「お兄様？！」」
そしてコネシマとシャオロンの悲痛の叫びが重なったのだった。
.
..
.....
「いや〜まさか俺の客人がAとはなぁ。」
「ふふ。元気そうで何よりですわ。あと、あの、すみません…あまり見つめられるのに慣れていないのですが、私に何かついてますでしょうか？」
あまりにも似ていない兄妹に、コネシマとシャオロンは唖然としてしまう。無意識に見つめてしまっていたのだろう、女が頬を染めて二人に視線を向けた。
深い海を連想させる瞳が二人を写す。
「あ、いや、何でもないけど、」
「二人ともまじで似てへんなぁ」
美人を前にどもるシャオロンと、全く意識してないコネシマ。女は笑って答える。
「確かに似てないですよね。小さい頃からよく言われてましたの。自己紹介が遅れてしまいましたね。私、シャルル・Aと申します。」
スカートの裾を両手で持ち、礼をする。洗礼されたその行動に思わずほぅと声を漏らすはシャオロンだ。
「ご丁寧にどうも。俺はコネシマや」
「コネシマ様ですね。どうぞよろしくお願いしますわ」
「俺はシャオロン」
「シャオロン様もよろしくお願いしますね」
しばらく世間話を続ける三人。鬱だけは静かにそんな三人を見ている。しかしなぜかその視線は冷たく、コネシマやシャオロンが疑問に思っていれば、本人も遅れて気づいたようだった。
「お兄様、何でしょうか」
「いや、猫被りがいつまで続くんやろなぁと思ってな」
「猫被り？」
「言っとくけどコネシマもシャオロンも猫被ったって何も特なんかあらへんよ」
ピクリとAの形の良い眉が動く。
「それにこの二人は幹部やし、グルちゃんともマブやで。お前が隠したっていずれバレると思うけどなぁ」
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鳩山(プロフ) - ろわ。さん» コメントありがとうございます…！拙い文章でしたが楽しんでもらえたなら幸いです。嬉しいお言葉本当にありがとうございます…！ (2019年11月27日 21時) (
レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ろわ。(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後の結婚式のシーンでは私までut先生みたいになりました...。とても素敵な作品をありがとうございました。 (2019年11月22日 2時) (レス) id: a9da82584b (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ロアさん» ロアさん！コメントありがとうございます！労いのお言葉まで…！最後まで読んでくださって本当にありがとうございました！ (2019年11月21日 13時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 完結おめでとうございます！！( ；∀；)お疲れさまでした (2019年11月21日 8時) (レス) id: 148e7f1d83 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ウルさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいお言葉、そして完結まで読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年11月21日 6時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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