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「言っとくが、文句なしのくじ、だからな。今さら席変えろって言わねーように。んじゃ、お前ら、また明日な」

担任のその一言で、みな解散する。

(マジかぁ……)

前に比べればいやではないが、新鮮さが足りなくて、私は頭を抱えたのだった。





「んで、2人ともまた隣の席になったの?ちょーウケんだけど!」

翌日の昼休み。高尾くんがお腹を抱えて笑い出す。

「まあでも、まだ楽になった方なんじゃない?周りの子が」

梨花が私たちではなく、私たちの周りの席の子に向けてそういう。たしかに、前の席替えの時より、周りの子の絶望感は感じなかったかも。どちらかというと、諦め感がすごかった感じだったけど。

「あーうん」

私ももう返すのが面倒になって、テキトーに返す。緑間くんはずっと無言だった。まあ、もう私たちは昨日騒ぐだけ騒いだというのもあるのけど。
おかげでもう気持ちの整理はついており、もう次の席替えまだかなーなんて、考え始めてる。




「あー、祭り行きてぇ」

高尾くんが徐にそう呟く。

「たしかに!浴衣着て、屋台巡って、花火見たい!」

梨花もそれに便乗する。

「この時期、そういうのやってるところ、もう流石にないでしょ」

私は冷静に返す。もう9月だぞ。

「えー!お姉ちゃんが夢のないこというー!ひどー」

梨花が私の言葉に膨れる。

「どっかではやってるかもしれねーじゃん」

高尾くんがそう言ってスマホを取り出し、調べ出した。

「どー?あったー?」

梨花が高尾くんのスマホを覗き込む。2人の距離が近くて、割とこっちがドキドキするが、梨花の方は全く意識していないようだ。

「おーあったよ〜」

「え、どこどこ?」

「ここ」

「え〜遠いじゃん!」

高尾くんが調べたところ、東京で花火が見れる祭りが、次に行われるのは10月らしい。ここから電車とバスで、1時間ほどかかるところのようだ。たしかにちょっと遠いかも。

「でもさ、11月からはもうウィンターカップにむけて休みねーじゃん?ならもう意地でも、ここら辺で行くしかなくない?」

と高尾くんが同意を求めてきた。別に来年行けばいいじゃん……と思ったが、彼は今年行きたいらしい。

「む……確かにここはちょうど一日部活オフのはずだけど……」

梨花もやはり少し迷っているようだった。

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作者名:ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時:2022年5月10日 16時

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