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「待ってください、宮地先輩！橋本も黙ってないで何か言うのだよ！」
「え、私？」
高尾くんが頼りにならないと思ったのか、私に話を振る緑間くん。てか、私、昨日緑間くんと喋った記憶ないんだけど。
「……記憶にございません」
「橋本ぉ！」
「よぉし、緑間ぁ、歯ぁ食いしばれ！」
正直にそう言うと、緑間くんにキレられる。同時に、宮地先輩が拳をあげる。
「待ってください！宮地先輩！それは誤解です！」
大きな声が聞こえ、みんなが一斉にそちらを向く。私も見ると、そこには顔を赤くした梨花がいた。そして、みんなが注目しているうちに、梨花が弁明し出した。
「昨日、お姉ちゃんが台所で寝落ちしちゃったところを、緑間くんが見つけてくれたんです。お姉ちゃんは全然起きなかったみたいで、仕方なく緑間くんが抱っこして部屋まで運んできてくれたんです！」
「え……」
「……本当なのか？」
意外だった。私を部屋まで運んだのが彼だったなんて。
宮地先輩は緑間くんに確認する。
「はい。本当です」
その言葉に、宮地先輩は拳を下ろし、「……勘違いして、すまなかった」と、緑間くんを掴んでいた手を離す。
すると、「プッハハ！」と吹き出す声が、近くで聞こえた。全ての元凶、高尾くんである。
「高尾、てめぇ……！」
「すんません！っまさか、あそこまで勘違いすると思ってなくて！アハハ！」
一人で爆笑する高尾くんに宮地先輩がキレるが、さらに先輩を煽る高尾くん。この人のメンタル、強靭すぎるでしょ。結局、高尾くんは宮地先輩から3発食らった。
騒ぎが鎮まり、割れた食器を片付け、宮地先輩も緑間くんも梨花も着席し、ようやく夕食が始まった。
「昨日の、緑間くんだったんだね。ありがとう」
私がサラッとそういうと、「例には及ばないのだよ」と返された。
「ところで、みんなは何を勘違いしてたの？」
正直、さっきみんなが慌てている理由や、宮地先輩がキレた意味が分からなかった。「抱いた」って聞いてハグや抱っこ以外で勘違いすることなんてある？
すると、私の言葉を聞き、みんなが「え？」という顔をする。高尾くんは爆笑し出した。
「え？私、なんかおかしい？」
「いや別に、おかしくないけど！アッハハ！おもしれぇ！」
「はぁ……」
結局、誰も教えてくれなかったが、そこまで気になることではなかったため、放っておいた。
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作者名：ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時：2022年5月10日 16時
