検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:5,168 hit

▽File.05 ページ7






A「ん……んぅ……?」

緑間「やっと目が覚めたか。」

A「え?あ…えっと……」

緑間「緑間だ。」

A「あ、緑間さん……あの、ここは…?」

緑間「見て分からんのか?病院だ。」


何者かに睡眠薬を飲まされて、ようやく目が覚めたA。

しかし彼女は、自分の今の状況が理解出来てないらしく、
「え?え…?」と戸惑うばかりであった。

そんなAに説明をいれたのが、
なぜだか可愛らしい猫のぬいぐるみを持って、
ベッド脇のパイプ椅子に座る、緑間であった。


緑間「睡眠薬を飲まされ、犯人に連れ去られそうだったのだよ。」


なぞの語尾と猫のぬいぐるみを気にしつつも、
Aは緑間にそこまで聞いて「あ、」と声を漏らした。


A「お、思いだしました…。でも私、どうやって…」

緑間「偶然居合わせた赤司が助けたそうなのだよ。…どうやったかは知らんが。」


眼鏡をクイッと押し上げてそう言った緑間。


A「赤司さんが…それで、その犯人は?」

緑間「…逃がしたのだよ。」

A「え」


思わず声を漏らしたAを緑間がギロリと睨めば、
Aは「す、すいませんっ」と勢いよく頭を下げる。

そんな彼女を見て、はぁ、と溜息をついた緑間。
しかしその溜め息は、呆れたような溜め息ではなく、
安堵の溜め息であった。


緑間「まぁ、お前が無事だっただけでも良かったが。」

A「え…」

緑間「だがあまり無茶はするなよ?お前は今日一課に来たばかりで、しかも女なのだからな。」

A「っ…」


緑間の言葉に唇を噛み締める。

彼女は昔から、性別や年齢などの差別があまり好きではなかった。

お前はまだ若いのだから、女なのだから、無茶をするな。
そう言われる事が、嫌いであった。

けど、今回ばかりは何も言い返しは出来なくて……。


A「すいません……初日から…迷惑、かけちゃって……」

緑間「…フン。次からは気を付けるのだよ。」


それだけ言うと、緑間は病室から出て行く。


青峰さんの言葉にビビって、うまく体が動かなかった。
背後を取られたからどうする事も出来なかった、なんて…ただの言い訳だ。

刑事は常に危険と隣り合わせ。
生と死が隣同士にある。
だからそれなりの覚悟が必要だ。

分かってる…
頭じゃ分かってるけど……


A「死ぬ覚悟って…なんだよ、それ……っ」

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←▽File.04



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:doughnut. | 作成日時:2013年11月5日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。