ep.4-1 お誘い ページ10
ーーSide.Kーー
Aを連れ出して向かった先は、アラベスクタウンの外れ。
ルミナスメイズの森との境目に着いたところで、俺はAの手を離した。
「…悪いな、いきなり連れ出して」
「いえ、もうお開きにしようかと話していたので大丈夫ですよ」
少し歩いてようやく少し冷静になった。
先程まで掴んでいたAの手首をチラリと見る。
そんなに強い力で掴んでいたつもりはなかったが、よくよく見ると赤い痕がついていた。
自分でも分からないもやもやの正体に内心舌打ちをして、赤くなってしまった手を、今度はそっと持ち上げた。
「悪ぃ、赤くなっちまった」
「えっ、あ…大丈夫ですよ、見た目ほど痛くないですし」
俺の手をそっと手を解き、Aはほら、と言いながらヒラヒラと手首を動かしてみせる。
何も気にしていないと言わんばかりの様子のAに、俺はほんの少し胸を撫で下ろした。
正直なところ、なんで連れ出したのか俺自身もよく分かってなかった。
というより、まずアラベスクタウンにすら来るつもりなんてなかったんだ。
なのに、電話越しであのピンク野郎が挑戦的な目を向けてきやがったから、体が勝手に動いてた。
Aのことが絡むとなんか落ち着かねぇ。
「やっぱり、私に何か用事でもありましたか？」
物思いにふけっていると、Aが心配そうに覗き込んできていた。
身長差も相まって、上目遣いになってやがる。
ドキリと、不自然に胸が高鳴った。
「んー、いや…」
電話越しでも、用事はないと伝えていたが。
こうなると、用事がないのはあまりにも不自然すぎる。
と、ふと先程ダンデと話していた話題を思い出した。
「…そういや、ダンデが話してた…というか、今日の会合で話してたんだけどよ。次のジムチャレンジ開催まで少し期間があるから、特別マッチとかいうやつをやろうかって話になってたんだけど」
そう、今回の会合はいつもの定期報告とは別に、議題があった。
チャンピオンのA、元チャンピオンのダンデ、新旧ジムリーダーを含めたメンバーでコンビを組み、特別マッチ戦を行おうというものだ。
今までやったことの無い試みだが、反対するやつはいなかった。
みんな各々に誰と組みたいだの考えていたみたいだが、その話が出てから俺の脳裏に浮かんでいたのはただ1人。
ーーAと組んでみてぇ。
強いから、だけでは無い。
"魅せる"試合をする彼女と肩を並べたらどれだけ楽しいか、そう考えたからだった。
．
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真希(プロフ) - 匿名さん» ご指摘ありがとうございます、よくよく見てたら１箇所完全に誤字してましたね…； 他の箇所は恐らく大丈夫かと思いますので…教えていただきありがとうございました！ (2019年12月27日 19時) (
レス) id: c3944fcbfe (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - アラベスクタウンのジムリーダーはポプリさんではなくポプラさんですよ…(小声) (2019年12月27日 15時) (レス) id: 99879ec7c1 (このIDを非表示/違反報告)
真希(プロフ) - 山葵さん» こちらにまでコメントいただいてめちゃくちゃ嬉しいです…！(；▽；) 頑張って書き上げますので、もう暫くお付き合いいただけると嬉しいです！ (2019年12月18日 2時) (レス) id: c3944fcbfe (このIDを非表示/違反報告)
山葵(プロフ) - 真希さんの書くキバナさん、ほんとに好きです…！！！！頑張って下さい！！！ (2019年12月17日 23時) (レス) id: 40ec5f6136 (このIDを非表示/違反報告)
真希(プロフ) - ハイサネさん» コメントありがとうございました！バトル風景書いたの初めてだったので、きちんと伝わっててほっとしてます…！応援もありがとうございます、とっても励みになります！ (2019年12月17日 19時) (レス) id: c3944fcbfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真希 | 作成日時：2019年12月6日 2時
