本当の恋に落ちた日【川村壱馬】 (ページ19)

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―鮮明は情報― ページ19

北人ｓｉｄｅ
　次の日、壱馬のために木ノ瀬ちゃんについて調べることになった。

　口の軽そうな先生や今まで付き合った女たち

　木ノ瀬ちゃんと小学校や中学校が同じ友達などできる限り多くの情報を集めるために俺と慎は歩き回った。

慎「てか、お前も情報集めろよ」

壱馬「別に俺は情報が欲しいなんて言ってない」

慎「素直じゃないんだから…」

　俺たちはいつものたまり場に集合し、情報を伝えあった。

北人「えっと、まずは先生たちには結構信頼されてるみたいだよ。学力もあるし、別に運動ができないわけじゃない。唯一の欠点と言えば、愛想がないってことくらいかな」

慎「先生に愛想振りまく方がわざとらしいけどな」

北人「確かに。慎は？」

慎「俺はAちゃんと小中一緒だった友達に話を聞いたんだけど、昔からあんな感じではなかったみたい。変わったのは中学３年生の時なんだって。いきなり笑わなくなって怖かったって言ってたよ」

北人「そういや俺の聞いた話では、親がいないとかって言った。それから、中学校の時転校するしないで結構意見があったみたい」

壱馬「どういうことだ」

北人「詳しくは知らないみたいなんだけど、たぶん家庭内の問題じゃないかって言ってた」

慎「それってもしかしてさ…」

　深刻そうな顔で慎が呟いた。

北人「どうした？」

慎「いや、小学校のときのプールの授業でAちゃんの体に痣と火傷の痕があったって言ってた人がいたな。その当時は、ドジっ子だなで済んでたけどもしかすると・・・」

　もし、その情報が本当なら間違いなく【虐待】だろう。

　そのせいで、暴力というものを嫌うのも辻褄が合う。

　ではなぜ、血が苦手なんだ？

　虐待くらいで血が苦手になるものなのだろうか…