鏡の呼吸 肆の型 ページ22
炭治郎を庇うようにしてその前へ進み出た僕を、無惨はやはり攻撃した。
やはり格別に強い。今までの鬼と比べ物にならないほど。
ずざざざーっと後ろに逃れた。
刹那。
頭部に衝撃が走った。
「___っ!?」
脳に何かが刺さったような感触がして。
「おい墨、」
……何だ、これ。
私の頭を刺したものは、
。
。
。
鼈甲の簪。
「墨ちゃん、何やってんの!刺さってるよ簪!取って早く!」
ううん、取らない。
私は取らずに、そのまま立ち上がった。
「墨の助何やってんだ……」
「今まで楯突いたやつの中、見ない顔だ。本当に鬼狩りか?」
鬼舞辻無惨が笑みを浮かべる。
すかさずこっちも、噛み付くような笑顔をつくった。
「本当か?本当に僕を見たことがないか?この、」
頭に突き刺さっている簪を抜きとんとんっ、と人差し指で弾いた。
「硝子細工の簪。身に覚えがないか?」
瞬間、無惨は電気が走ったように目を見開いた。
「お前____」
「逢紅、なのか?」
そのまま続ける。
「お前、逢紅なのか!?」
「ええ」
「そうみたいね、残念ながら」
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はい!零堂Juneです!いちいちすみません、文字数の関係で…
あの、一人称がちょくちょく変わるのは、墨が二人分の気持ちを持っているからです。
つまり、澪子ちゃんとかの前では昔から友達なので私、になったり。
現在進行系では僕、ですが、たまに私が出てしまう時があるってことです。
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作者名:零堂June | 作成日時:2020年9月2日 12時