朔と日第二幕【鬼滅の刃】【竈門炭治郎】 (ページ23)

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六十三話ページ23

それからはごたごたであった。

何を根拠にしているのかは分からないが「ぞんびだぁ！」と頑なに信じないA。

最終的に十数分かかった。

※ゾンビと言う単語を帰ってから知った炭治郎はちょっと傷ついた

Aを納得させた後、炭治郎は炎柱の助言の下腹部の止血をした。

なんでも魘夢に惑わされた運転手に刺されたらしい。

「何だ！お前生きてたのか！」

「ずっと生きてたよ」

「心配させやがって！」

「う゛っ」

Aに患部付近をはたかれ炭治郎は呻き声を漏らす。

隊服黒いじゃん。分かりにくい。

「あっ悪い。気づかな」

刹那。

ドォンッ！！

轟音が辺りを震わせた。

柔らかかった炎柱とAの表情が一瞬にして鋭くなる。

何かが上空から降って来たのだ。

舞い上がる土埃のなかに揺らめく影が窺える。

「…」

鬼であった。

砂煙の中から姿を現したのは、一人の鬼。

瞳に刻印されるのは『上弦・参』の文字。

(上弦の…参？どうして今ここに…)

彼の身体は至る所が入墨のようなもので侵されていた。

瞬きを一つした、次の瞬間。

「！」

凄まじい速度でA達の元へ向かって来る。

そして何故かその固く握られた拳は、Aと炭治郎に向いていた。

『炎の呼吸二ノ型昇り炎天』

すかさず炎柱がその腕を切り裂く。

その隙にAが炭治郎を小脇に抱えて後退。

「…」

足が痛いとか気にしている場合じゃなかった。