期限付きで家事代行いたします。【櫻井孝宏】

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Sside





「(ありゃ、寝ちゃったかな)」





Aちゃんとの食事の後車を走らせていると、隣の助手席から規則正しい寝息が聞こえてきた気がした。


信号で止まった時にチラリと見ると、シートベルトにコテンと持たれてスースーと気持ちよさそうに寝ている姿があった。


お酒には強いと言ってたし、実際顔色も態度も全く変わってなかったから特別酔って寝たわけではないだろう。
きっと俺との初めての食事で多少の緊張はしたと思う。自惚れとかではなく、普通に年上の人との初めての食事って誰しも気を使うし緊張するもんでしょ？
まあ俺は普通にAちゃんとご飯ってだけで緊張したけどね。


Aちゃんの家まで送り届ける気では勿論いるのだけど、こんな可愛い寝顔見せられたら無理に起こして自宅の場所を聞くことは、俺には出来なかった。


考えに考えた結果、とりあえず俺のマンションへと帰ることにした。マンションならAちゃんも勝手知ったる家だし少しは安心するだろう。


俺は何となく走らせていた車を自宅の方向へと変えた。


今日の仕事現場で中村に「手出すの早くて有名じゃなかった？」と言われた一言が一瞬頭をよぎったが、違う違う！と頭を振った。

決して下心とかないから！！
そんなの全然ないから！！！






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マンションの地下にある駐車場から、所謂お姫様抱っこをして部屋までAちゃんを連れて来た。

老いを感じる今日この頃、部屋まで抱えてたどり着けるか心配だったが、その不安を感じさせないくらいAちゃんは軽く、身長も160センチくらいあるように見えるけど自分が想像していたよりも軽々と抱き抱えられたことに逆に心配してしまった。


部屋に着くと、まずベッドへゆっくりと下ろし、布団をかけてあげた。

『んん、』と少し身を捩りながら動くAちゃんはまだまだ寝ぼけているようで、いつも割としっかりしているAちゃんとはまた違った一面が見れて、愛おしさが増してしまった。





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