17 ページ17
.
『……あれ、ここどこ…?』
「俺の家だよ、Aちゃん寝ちゃって家わかんなかったから、勝手に連れて来ちゃった、ごめんね」
『櫻井さんのお家、大好きです、』
「ほんと?ありがと」
大好きです。と、フニャリと笑うAちゃんに、
いかん。これ以上この空間に一緒にいると何しでかすかわからん。
と心の中の俺が訴えかけ、ゆるりとその場を離れようとすると、キュッと何かが俺の服を引っ張り、足を止めた。
「……Aちゃん?」
『櫻井さん、どこ行くんですか…?』
俺の服の裾をキュッと手で掴み、寝ぼけているのだろう、トロリとした目で俺を見上げている。
やめてくれ、理性を保つので精一杯になる…。
「シャワー浴びてこようかと思って」
『……そうですか、』
「すぐ戻って来るから、Aちゃんはここで寝てていいよ?」
『……ん、待ってます』
「うん、ゆっくり休んでね」
『……櫻井さん、私いい子で待ってるので、頭なでてください、』
「………へ?」
ただでさえ破壊力半端なくて色々と我慢してるのに、あまりにもかわいいことを言い始めたので思わず間抜けな声が出てしまった。
『………今日、お家帰ったら頭撫でてくれるって、言ってたじゃないですか…』
「………あ、」
今日の夕方、Aちゃんが台本を届けてくれた時に、いつもの癖で頭を撫でようとして、外だということを思い出して慌てて手を引いたことを思い出した。
たしかにあの時Aちゃんは『またおうちでしてください。』と恥ずかしそうに言っていた。めちゃくちゃ可愛かったからしっかりと覚えている。
でもまさかAちゃんも覚えていたとは。というか、子供扱いしてるみたいで嫌じゃないかな、と思っていたけど、そうでもないみたいで少し安心した。
「…うん、Aちゃん、いい子で待っててね」
いつも以上に可愛いAちゃんに俺の顔もきっとこれでもかというくらい緩んでると思う。
Aちゃんの頭にポンッと手を置くと、ふふっと嬉しそうに笑っていて、柔らかい髪を撫でるように手を下ろすと、猫のように擦り寄って来る。
………ダメだ。
そう思った時には、俺の両手はAちゃんの頬と後頭部に回っていた。
「……Aちゃん、ごめんね」
『?櫻井さ、……んっ、』
Aちゃんの後頭部に添えていた手をグッと引き、唇を重ねた。
中村にはごめんと心の中だけで謝ることにする。
.
372人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
K(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます!更新なかなか出来ずで申し訳ありません…(;o;)コメントを励みに頑張らせていただきます!! (2022年3月23日 20時) (レス) id: 24c53ca97f (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2022年3月19日 13時) (レス) @page32 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 更新再開楽しみにしています! (2021年11月25日 9時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - うたプリ大好き?さん» お待たせしており申し訳ありません。来月には更新出来るかと思いますので今しばらくお待ちください。嬉しいお声、ありがとうございます。今後もよろしくお願いします! (2021年11月25日 1時) (レス) id: 24c53ca97f (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2021年11月22日 0時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:K | 作成日時:2021年7月6日 8時