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8話 僕の過去 ページ8

「ねぇ、愛ってなにかな?」
彼女は顔を曇らせて聞いてきた

僕たちがどこかで望んでいる言葉


親に虐待され、学校でいじめを受ける僕

子供たちを家畜のように扱う施設で育ち、学校にさえ通えない彼女

彼女が聞いてきた言葉を僕はよく知らないから
なにも返せない

けれど、もし僕のことが好きなら

僕の両親は殴らないでと叫ぶ僕の声を聞いてくれた?

食べ物をくださいと懇願する僕に食べ物をくれた?

目の前の彼女みたいに気を遣ってくれた?

だとしたら、好きな人の願いを叶えようとしてくれるのが、愛?

「君は、僕が明日も君に会いたいって言えば会ってくれる?」
「うん」

即答してくれた
だから、僕は自信をもって言えた

「じゃあ、好きな人の願いを叶えたいって思うのが愛だよ」
「…好きな人って?」

「…きっとこれから見つかる、大丈夫だよ」

彼女はうん、と頷いた


ふと自覚した

僕は多分彼女が好きだ
彼女以外はどうでもいい、興味がない

彼女の願いは叶えてあげたいって思う

彼女にとっての僕がそうであればいいのに、と願わずにはいられなかった

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作者名:アリス | 作成日時:2021年7月25日 0時

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