＊不覚にも ページ18
「ちょっと、離して！」
私は驚きやら何やらで、頭がパニックになっていた。それに、私は眼鏡をかけているためこういうことをされると、眼鏡の鼻あてのせいでものすごく痛くなる。
離して、離して、と必死に訴えても、やはり離してはくれない。
「んなこと、俺ができると思ってんのかィ」
「ッ……！」
耳元で囁かれる。普段より低くて思わずドキッとした。全身の動きが止まってしまう。
「Aができても、俺はできねェ」
かなり苦しいし、痛い。それに、大嫌いな人にこんなことされたって嬉しくない。すぐに離れてほしい。もし人に見られたりしたらどうするんだ。
「なぜですか？」
また苛立ちの波が押し寄せてきた。もういい加減、私のことは諦めてほしい。諦めたらそこで試合終了だ、という言葉があるが、諦めるのも重要な選択だと思う。
「俺がAのこと好きだからでィ」
間髪入れず、簡潔に答えた。けど、そんなもの理由にならない。
私だって、人に「私に近づくな」とか言いたくないし、こんな風に接するのは良くないと思っている。けれど、こうなるのは当然の結果だ。
「だから、あなたが私のことを好きでいても、私はあなたのことが好きではないって、先ほども言いました！」
私は沖田総悟の脛を蹴った。仕方ない。ここから逃れるには武力行使が手っ取り早いと思ったのだ。もちろん武力といっても、刀は使えないし、銃が使えるわけでもないから、弱点を狙う。私は仮にも医者だ。鍼のツボや、神経が集中するところだって全て覚えている。
「ッ……」
あの沖田総悟でも、さすがに痛かったようで、肩を揺らした。突然されたということもあったのか、少し力が緩んだ。
千載一遇のチャンスを逃すまいと、私は必死にもがく。すると、沖田総悟は自ら私を解放した。諦めた、と捉えても良いのか。けど、次に何をしてくるか分からない。私は即座に身構えた。
「すまねェな」
しゅんとしてうつむく彼の姿に、私は不覚にも、罪悪感を覚えてしまった。今更だし、感じる必要だってないのに。私はいやいやと首を振って、その感情をかき消そうとした。でも、彼はこんなにも謝ってくれているし、私にも非は少しあるかもしれない、と、考え出すと止まらなくなってしまった。
しかし今ここで許すわけにもいかないのだ。私にあんな思いをさせ、両親にも嘘をついたのだから。
「ああもうっ……！」
私は頭をくしゃくしゃと掻いた。
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白桃餅子 - マリーナさん» こちらこそ初めまして！ ですよね、沖田くんかっこかわいいですよね！ ゆ、夢主と一緒ですって！？ おめでとうございます！！（？）いいなあ……一緒だなんて……！ あ、返信遅くなって申し訳ありませんでした。 (2018年8月12日 19時) (
レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
マリーナ - はじめまして！沖田くんがかっこいいし、かわいい！しかも夢主ちゃんと誕生日、血液型が一緒！ (2018年7月15日 14時) (レス) id: 05439fd47e (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - Sakurairoさん» 面白いと言っていただけて嬉しいです！ 確かに沖田くん可愛いですよね。書きながら悶えてます(笑)応援もありがとうございます！ テスト頑張ってきます……！ (2018年5月6日 14時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
Sakurairo(プロフ) - 面白いです！！沖田君の１つ１つの行動が可愛くて！ 更新待ってます！テスト勉強頑張ってくださいね！！ (2018年5月5日 17時) (レス) id: 5935e5da26 (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - 林檎はいつまでも……さん» いつもありがとう！ ドキドキしてくれたら本望ぜよ。 (2018年5月4日 12時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白桃餅子 | 作成日時：2018年1月14日 17時
